事務所概要

事務所名分銅会計事務所
所長名
代表税理士 分銅雅一
所在地

〒160-0022
東京都新宿区新宿一丁目15番5 カテリーナ新宿御苑駅前802号

電話番号03-6380-1093
FAX番号03-6380-1094
業務内容

自社株式と不動産の承継に関連する

1.相続税・譲渡所得税の税務申告

2.相続・事業承継対策の立案及び実行支援

3.個人及び法人の税務顧問

4.セミナー及び研修の講師

ブログ 2020年4月10日

<民法(債権法)の施行について>

令和2年4月1日から、民法の契約等に関する部分(債権法)が施行されました。この改正は、平成29年5月に「民法の一部を改正する法律」として成立していましたが、実務への影響が甚大であるため、その施行までに約4年の準備期間が設けられていたものです。

民法の債権法については、明治29年に制定されてから約120年もの間、実質的な改正がほとんど行われてきませんでした。

今回は、この民法(債権法)の改正について、その概要を説明していきます。

 

1.保証人の保護に関する改正

個人保証について、保証人を保護するために、大きく下記の2点が改正されました。

(1)極度額の定めのない個人の根保証契約は無効

「根保証契約」とは、一定の範囲に属する不特定の債務を保証する契約をいいます。

例えば、住宅等の賃貸借契約の保証人となる契約や法人の債務に対して保証人となる契約などを根保証契約によって行うことがあります。

この「根保証契約」は債務額が変動することから、個人である保証人を保護する必要があるため、今回の改正により、個人が根保証契約を締結する場合には、保証人が支払の責任を負う金額の上限となる「極度額」を定めなければ、その保証契約は無効となることとなりました。

(2)公証人による保障意思確認の手続きの新設

会社や個人である事業主が融資を受ける場合、その事業に関与していない親戚や友人などの第三者が安易に保証人となってしまい、結果的に、予想もしなかった多額の債務の支払いを迫られる事態がたびたび発生していました。

そこで、個人が事業用融資の保証人になろうとする場合について、公証人による保証意思確認の手続きを新設し、この手続きを経ないでした保証契約を無効とすることとしました。

 

2.約款(定型約款)を用いた取引に関する改正

現代社会では、不特定の顧客を相手方として取引を行う事業者などがあらかじめ詳細な契約条項を「約款」として定めておき、この約款に基づいて契約を締結することが少なくありません。

このような約款を用いた取引においては、顧客はその詳細な内容を確認しないまま契約を締結することが通例となっています。これらに関して、民法上基本的なルールが全く定められていなかったため、今回の改正により、新たに「定型約款」に関して、一定のルールが設けられました。

3.法定利率に関する改正

「法定利率」とは、契約の当事者間に貸金等の利率や損害賠償金に関する合意がない場合に適用される利率のことをいい、一般的に民法においては年5%、商法(会社法)においては年10%と定められています。

一方で、昨今、極めて低金利の状態が長く続いており、これらの法定利率は高すぎるため、不公平が生じているとの指摘がなされていました。

そこで、今回の改正により、民法の法定利率を年5%から年3%に引き下げると共に、将来的に法定利率が市中の金利動向と大きく離れたものになることを避けるため、法定利率が、市中の金利動向に合わせて自動的に変動する仕組みを新たに導入することとなりました。

 

4.消滅時効に関する改正

「消滅時効」とは、債権者が一定期間権利を行使しないことによって債権が消滅する制度をいいます。長期間が経過すると、証拠が散逸し、債務者であるとされた者が債務を負っていないことを立証することも困難になるために、このような制度が設けられているといわれています。

この消滅時効期間について、一般的に民法は10年、商法(会社法)は5年と定められていますが、民法においては、例外的に職業別のより短期の消滅時効期間(例えば、弁護士報酬は2年、医師の診療報酬は3年など)を設けていました。今回の改正で、職業別の短期消滅時効の特例を廃止すると共に、消滅時効期間を原則として5年と統一化しました。

ただし、債権者自身が自分の権利を行使することができることを知らないような債権(例えば、債権者に返済金を過払いしたため、過払金の返還を求める債権については、過払いの時点では、その権利を有することを知らない状態であることがあります。)については、権利を行使することができる時から「10年」で時効となります。

 

<旧法における職業別の短期消滅時効の例>     

※ なお、税理士の報酬については、短期消滅時効として定められていなかったため、原則どおり10年であったものが、今回の改正により5年と短くなったため注意する必要があります。


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