| 事務所名 | 分銅会計事務所 |
|---|---|
| 所長名 | 代表税理士 分銅雅一 (登録番号第123843号) |
| 所在地 | 〒160-0022 |
| 電話番号 | 03-6380-1093 |
| FAX番号 | 03-6380-1094 |
| 業務内容 | 自社株式と不動産の承継に関連する 1.相続税・譲渡所得税の税務申告 2.相続・事業承継対策の立案及び実行支援 3.個人及び法人の税務顧問 4.セミナー及び研修の講師 |
| 適格請求書発行事業者登録番号 |
<令和6年分 相続税の申告事績の概要について>
令和7年12月、国税庁ウェブサイトに「令和6年分 相続税の申告事績の概要について」が 掲載されました。
相続税の申告事績については、例年12月に前年分の内容が公表されます。平成27年1月1日 以後の相続発生分から、基礎控除が大幅に引き上げられ、相続税の課税割合がそれまでの平均4%台から8%台と2倍となり注目されてきましたが、令和3年分で初めて9%を超えました。
今回は、改めて毎年公表されている相続税の申告事績についての内容を考察してみていくこととします。
まず、令和6年分における被相続人数(死亡者数)は1,605,378人(前年対比101.9%)でした。そのうち、相続税の申告書の提出に係る被相続人は166,730人(同107.1%)、その課税割合が約10.4%となり、初めて全体で10%を超えました。
これを図に表すと下記のとおりとなります。

※国税庁ウェブサイト「https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2025/sozoku_shinkoku/pdf/sozoku_shinkoku.pdf」参照。
冒頭でも紹介しましたが、平成25年度の税制改正により、平成27年1月1日以後に発生 した相続から、それまでの基礎控除額が4割下がりました。
平成26年12月31日以前 5,000万円+1,000万円×法定相続人の数
⇓
平成27年1月1日以後 3,000万円+600万円×法定相続人の数
これにより、相続税の課税割合が平成26年4.4%に対して、平成27年は8.0%と2倍になりました。なお、東京国税局管内でも平成26年7.5%に対して平成27年は12.7%に、大阪国税局管内でも平成26年4.8%に対して平成27年は8.2%に、名古屋国税局管内でも平成26年6.1%に対して 平成27年は11.0%と、どの地域でも1.5倍から2倍近くとなっています。それだけ、基礎控除引き下げによるインパクトが大きかったことが読み取れます。
次に、相続税の申告書の提出に係る課税価格の総額は23兆3,846億円(前年対比108.1%)、申告税額の総額は3兆2,446億円(同108.0%)でした。
これも図に表すと下記のとおりとなります。

ここでも、大きな特徴は平成26年から平成27年にかけて大きく課税価格の総額が増加している点です。また、昨今における物価上昇に伴い、不動産や有価証券を中心に資産価値があがり、令和4年に相続税の申告書の提出に係る課税価格の総額が20兆円を超え、さらに、申告税額の総額が3兆円を超えました。
そして、この相続税の課税価格の総額については、死亡者数が増えると相続税の申告書の提出に係る被相続人数も比例的に増えるため、その総額が増えていくこととなります。なお、死亡者数は同発表によると「人口動態統計」(厚生労働省)のデータに基づいています。
この厚生労働省による人口動態統計は、直近10年は下記のように推移しており、これから段階の世代が超高齢期を迎え、引き続き増えていくことが予想されます。


※厚生労働省ウェブサイト「https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei24/dl/04_h2.pdf」参照。
本稿では特に平成25年度税制改正による影響について触れてきましたが、令和5年度税制改正において、相続税の生前贈与加算の考え方が大きく改正されました。また、マンションを中心とした相続税評価額の考え方も「居住用の区分所有財産」として評価通達が整備されました。 さらに、令和8年度の税制改正大綱において、貸付用不動産の評価方法も大きく改正される予定です。税制改正による影響を考慮しながら、相続対策も効果的に行っていく必要に迫られています。