| 事務所名 | 分銅会計事務所 |
|---|---|
| 所長名 | 代表税理士 分銅雅一 (登録番号第123843号) |
| 所在地 | 〒160-0022 |
| 電話番号 | 03-6380-1093 |
| FAX番号 | 03-6380-1094 |
| 業務内容 | 自社株式と不動産の承継に関連する 1.相続税・譲渡所得税の税務申告 2.相続・事業承継対策の立案及び実行支援 3.個人及び法人の税務顧問 4.セミナー及び研修の講師 |
| 適格請求書発行事業者登録番号 |
<令和7年分の所得税等の確定申告状況等について>
令和8年5月29日、国税庁ウェブサイトに「令和7年分所得税等、消費税及び贈与税の確定申告状況等について」が掲載されました。
これは、令和7年中の暦年課税の対象となる個人の確定申告のうち、所得税等、消費税及び贈与税の申告の状況等についてまとめられたものです。(個人)消費税については、令和5年10月から開始された適格請求書等保存制度(インボイス制度)により、どの程度申告対象者が増え、その後どのような推移となっているのかが注目され、また、贈与税については、令和6年以降の贈与税の抜本的改正により、いわゆる暦年課税制度から相続時精算課税制度へ移行する者がどの程度増えるのかが注目されました。
このように消費税や贈与税は、一昨年以降、大きな変化が発生したことから、本稿では(個人)消費税や贈与税の確定申告状況等について触れていきます。
まず、(個人)消費税について紹介していきます。
令和5年10月からインボイス制度が導入され、制度導入後3回目となる令和7年分の個人事業者の消費税の確定申告においては、申告件数は217万件(対前年比+2.2%)と、前年分から5万件増加しました。また、申告納税額についても、8,416億円(同+5.1%)となっており、前年分から増加しました。

※国税庁ウェブサイトhttps://www.nta.go.jp/information/release/pdf/0026005-037.pdf 参照
次に贈与税の申告状況等についてです。
贈与税の申告書の申告人員は47万人(対前年比▲1.2%)です。そのうち、申告納税額がある方(納税人員)は32万人(同▲2.8%)と、その申告納税額は5,038億円(同+28.0%)となっており、前年分と比較すると、申告人員及び納税人員は減少し、申告納税額は増加しました。
注目すべきは、課税方法別の申告状況です。贈与税の課税方法は、暦年課税と相続時精算課税の2つの方法がありますが、相続時精算課税制度において基礎控除が創設され2年目の確定申告でした。この2つの方法については、下記のとおりです。
暦年課税を適用した申告人員は39万人(対前年比▲1.3%)と、その申告納税額は4,215億円(同+28.7%)となっており、前年分と比較すると、申告人員は減少し、申告納税額は増加しました。
一方、相続時精算課税を適用した申告人員は8万人(同▲0.8%)と、その申告納税額は
823億円(同+24.6%)となっており、前年分と比較すると、申告人員は減少し、申告納税額は増加しました。
大きな特徴として、申告人員は減少していますが、申告納税額が大きく増えているという点です。暦年課税においては、今後、いわゆる生前贈与加算が3年から7年に経過的に延びていく予定であるため、年間当たりの贈与額を大きくして贈与税を納税してでも生前贈与を加速していこうとしている傾向があると考えられます。

以上のように、(個人)消費税の確定申告の件数はインボイスを機に大幅に増加しており、贈与税の確定申告は、昨年分から暦年課税が減少し相続時精算課税が増加し、相続時精算課税への移行が顕著となっています。特に贈与税は、相続税の補完税といわれていて、相続税対策として生前贈与などを活用するケースが一般的ですが、暦年課税と相続時精算課税のどちらを選択していくべきか、それぞれの状況に応じた判断が求められているといえます。