| 事務所名 | 分銅会計事務所 |
|---|---|
| 所長名 | 代表税理士 分銅雅一 (登録番号第123843号) |
| 所在地 | 〒160-0022 |
| 電話番号 | 03-6380-1093 |
| FAX番号 | 03-6380-1094 |
| 業務内容 | 自社株式と不動産の承継に関連する 1.相続税・譲渡所得税の税務申告 2.相続・事業承継対策の立案及び実行支援 3.個人及び法人の税務顧問 4.セミナー及び研修の講師 |
| 適格請求書発行事業者登録番号 |
<「国税総合管理(KSK2)システム」と「AI活用」について>
令和8年9月から、国税庁内において、国税総合管理システム(通称「KSKシステム」)が「KSK2システム」に移行する予定です。
「KSKシステム」は、全国の国税局と税務署をネットワークで結び、地域や税目を越えた情報の一元的な管理により、各種事務処理の高度化・効率化を図るために導入した基幹システムです。
令和6年の国税庁レポートによると、新しい「KSK2システム」は開発コンセプトとして、下記の内容が予定されています。
・データ中心の事務処理を実現するシステム(紙からデータ)
・現在、税目別となっているデータベース・アプリケーションの統合(縦割りシステムの解消)
・独自OSを使用する大型コンピュータを中心としたいわゆる「メインフレーム」から、市販の汎用的なOSを使用するいわゆる「オープンシステム」への刷新(メインフレームからの脱却)
一方、昨今のAIブームに伴い、国税庁におけるAIの活用について、国税庁ウェブサイトにおいて、「予測AIの活用」と「生成AIの活用」の大きく2つに分けて取組を進めているとのことです。ここで、「予測AI」とは、過去のデータ等を分析し、未知の事象を予測することに強みを持たせたAIのことをいい、「生成AI」とは、文章および画像等の新しいコンテンツを生成できるAIのことをいう、と紹介されています。
令和8年7月に公表された資料によると、具体的には下記のように図示されています。

ここに※国税庁ウェブサイト
「https://www.nta.go.jp/about/introduction/torikumi/digitaltransformation2023/pdf/0026007-039.pdf」参照
具体的に、まず課税事務におけるAI・データ分析の活用については、下記のとおり紹介されています。
・保有する膨大なデータを予測AIによって分析し、各税目等に関して申告漏れのリスクを判定してスコア化する予測モデルを構築
・予測モデルの判定結果に加え、申告書や保有する各種資料情報等を併せて分析・検討し、職員が調査の要否や優先度を最終的に
・予測モデルの判定結果は、全国すべての国税局・税務署で活用

※国税庁ウェブサイト
「https://www.nta.go.jp/about/introduction/torikumi/digitaltransformation2023/pdf/0026007-039.pdf」参照
また、各税目等に関し広く活用している申告漏れのリスク判定以外にも、多様な観点に特化した様々な予測モデルを構築していくとしています。
例えば、所得税申告の不正還付リスク判定や法人の不正申告のパターン判定など、いくつかの予測モデルの判定結果を全国の国税局・税務署で活用しています。一方で、いずれの予測モデルについても、判定結果の活用に当たっては、申告内容や各種資料情報等を併せて分析・検討し、最終的には必ず職員が判断しているとのことです。
さらに、前述した令和8年9月の国税システム(KSK2システム)の更改において、従来書面で管理していた情報のデータ化などによりデータで管理する情報が増加することを踏まえ、構築してきた予測モデルの精度を向上させるなど、AI・データ活用による事務の更なる高度化を図っていくとしています。

※国税庁ウェブサイト
「https://www.nta.go.jp/about/introduction/torikumi/digitaltransformation2023/pdf/0026007-039.pdf」参照
次に、徴収事務においては、予測AI・生成AIを活用した効率化・高度化に取り組んでいくとしています。
具体的には、滞納者の各種情報(過去の接触事績、申告書データ、業種等)を基に、滞納者ごとに接触できる可能性の高い方法(電話、臨場、文書)を予測するモデルや曜日・時間帯ごとの応答予測モデルを構築し、全国の国税局や税務署において、予測結果を活用した滞納整理を進めていきます。また、滞納の整理促進を図るため、生成AIで滞納者別の整理事績を要約し、優先着手事案選定事務や担当者変更時における引継事務等で活用することで、これらの事務の効率化に繋げる取組等を進めていくとしています。

※国税庁ウェブサイト
「https://www.nta.go.jp/about/introduction/torikumi/digitaltransformation2023/pdf/0026007-039.pdf」参照
最後に、「業務の効率化に向けた生成AIの活用」や「納税者における生成AI活用イメージ」も下図のとおり紹介されています。
<業務の効率化に向けた生成AIの活用>

<納税者における生成AI活用イメージ>

※国税庁ウェブサイト
「https://www.nta.go.jp/about/introduction/torikumi/digitaltransformation2023/pdf/0026007-039.pdf」参照
新しい「KSK2システム」や「予測AI、生成AI」の活用に伴い、国税庁内の人的リソースが税務調査に集約されていく可能性も想定されます。
これに対応する策として、個人的には、今まで以上に税理士法第33条の2のいわゆる書面添付の活用が有用になると思われます。納税者の個人や法人の横断的な情報を書面添付に記載することで、KSK2システムやAIでデータ化される可能性がある情報を書面添付にて事前に開示することで、今まで以上に信頼性の高い申告書になると考えられます。納税者や税理士によるAI活用はもちろん避けては通れませんが、書面添付制度も積極的にご活用いただけますと幸いです。