事務所概要

事務所名分銅会計事務所
所長名
代表税理士 分銅雅一
(登録番号第123843号)
所在地

〒160-0022
東京都新宿区新宿二丁目3番12号 グレイスビル7F

電話番号03-6380-1093
FAX番号03-6380-1094
業務内容

自社株式と不動産の承継に関連する

1.相続税・譲渡所得税の税務申告

2.相続・事業承継対策の立案及び実行支援

3.個人及び法人の税務顧問

4.セミナー及び研修の講師

適格請求書発行事業者登録番号

T2810600793215

ブログ 2024年

ブログ 2024年12月27日

<令和7年度税制改正大綱

(物価上昇局面における税負担の調整及び就業調整への対応)について>

 令和6年12月20日、自由民主党および公明党から「令和7年度税制改正大綱」が公表されました。今回は、税制改正大綱の中から、「物価上昇局面における税負担の調整及び就業調整への対応」(いわゆる「103万円の壁」の改正)を中心に紹介していきます。

この「物価上昇局面における税負担の調整及び就業調整への対応」については、大綱の中で、以下のとおり紹介されています。

「所得税については、基礎控除の額が定額であることにより、物価が上昇すると実質的な税負担が増えるという課題があります。

わが国経済は長きにわたり、デフレの状態が続いてきたため、こうした問題が顕在化されることはありませんでしたが、足元では物価が上昇傾向にあります。一般に指標とされる消費者物価指数(総合)は、最後に基礎控除の引上げが行われた平成7年から令和5年にかけて10%程度上昇し、令和6年も10月までに3%上昇しており、今後も一定の上昇が見込まれます。~以下中略~こうした物価動向を踏まえ、所得税の基礎控除の額を現行の最高48万円から最高58万円に10万円、20%程度引き上げます。

給与所得控除については、給与収入に対する割合に基づき計算される控除であり、物価の上昇とともに賃金が上昇すれば、控除額も増加します。しかしながら、最低保障額が適用される収入である場合、収入が増えても控除額は増加しない構造であるため、物価上昇への対応とともに、就業調整にも対応するとの観点から、最低保障額を現行の55万円から65万円に10万円引き上げます。」

いわゆる「103万円の壁」については、123万円まで引き上げられることになりましたが、実際には基礎控除と給与所得控除、それぞれが10万円ずつ引き上げとなる予定です。

まず、基礎控除についてであるが、現状下記表のとおりの取扱いとなっています。

ブログ 2024年12月27日

※「国税庁ウェブサイト」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1199.htm 参照

この基礎控除について、合計所得金額が2,350万円以下の個人について58万円へ引き上げ予定です。

ブログ 2024年12月27日

※「令和7年度税制改正大綱」参照

次に、給与所得控除であるが、こちらも現状は下記表のとおりの取扱いとなっています。

ブログ 2024年12月27日

※「国税庁ウェブサイト」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1410.htm 参照

この給与所得控除額についても55万円から65万円へ引き上げ予定ですが、税制改正大綱においては、給与所得控除額の表までは明記されていません。

また、これらの「103万円の壁」の話の中で議論になったのが、いわゆる学生の扶養控除についてです。現状においては、年齢19歳以上23歳未満の生計一親族については、特定扶養控除として63万円が控除されます。

この特定扶養控除についても、給与収入123万円までであれば63万円全額の控除が認められることとなる予定ですが、今回の税制改正大綱において、新たに特定親族特別控除(仮称)が創設される予定と明記されました。特定親族特別控除(仮称)は、いわゆる配偶者特別控除と同じような内容であり、親族等の合計所得金額に応じて、控除額を段階的に下げていくようなものとなっています。具体的に税制改正大綱において明記されたのは、下記図のとおりです。

ブログ 2024年12月27日

※「令和7年度税制改正大綱」参照

この特別控除の創設により、学生のバイト収入が年間123万円を超えても直ちに特定扶養控除がなくならずに新たにこの特別控除が適用されることとなります。配偶者控除や配偶者特別控除は、控除を受ける納税者本人(親)の合計所得金額も一定金額以下である必要があることから、特定扶養控除は配偶者控除や配偶者特別控除と比較すると一定数の納税者が適用を受けられる可能性が高いといえます。

以上、確認してきたように、「物価上昇局面における税負担の調整及び就業調整への対応」の目玉として基礎控除および給与所得控除の引き上げが挙げられますが、これらの内容は今後も国民民主党を含めた3党協議を継続していくとのことです。

例年であれば、こちらの税制改正大綱をもとに税制改正法案が作成され国会で承認された後、3月下旬ごろに法案が成立する流れとなりますが、令和7年度税制改正大綱においては、まだまだ予断を許さず、今後金額なども含め、抜本的に変わる可能性もあります。

今後も報道発表などを注視していくことが肝要です。

ブログ 2024年12月13日

<令和7年1月からの申告書等の控えへの収受日付印の押なつについて>


 令和614日、国税庁のウェブサイトにおいて、「令和7年1月からの申告書等の控えへの収受日付印の押なつについて」が掲載されました。

 これは、令和7年1月から、申告書等の控えに収受日付印の押なつを行わないため、書面申告等における申告書等の提出(送付)の際は、申告書等の正本(提出用)のみを提出(送付)するようにとの内容です。

 本掲載の後、令和621日に、「申告書等の控えへの収受日付印の押なつの見直しに関するQ&A」が公表され、1122日に内容の一部に更新がありました。

今回は、このQ&Aを中心に紹介していきます。

※国税庁ウェブサイト

https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/onatsu/pdf/0023001-078.pdf 参照

 そもそも、今回の取扱いは、国税庁におけるDX化の推進が起因しています。Q&Aにおいても見直しの趣旨として、下記のように触れています。

国税庁においては、政府の「デジタル社会の実現に向けた重点計画」(令和6年6月21日閣議決定)等を踏まえ、納税者の利便性の向上等の観点から、「あらゆる税務手続が税務署に行かずにできる社会」を目指し、申告手続等のオンライン化、事務処理の電子化、押印の見直し等、国税に関する手続や業務の在り方の抜本的な見直し(税務行政のDX)を進めているところです。令和5年度のe-Tax利用率は、所得税申告で69.3%、法人税申告で86.2%に達しており、今後もe-Taxの利用拡大が更に見込まれるほか、「申告書等情報取得サービス」などのDXの取組の進捗も踏まえ、国税に関する手続等の見直しの一環として、令和7年1月から書面で提出された申告書等の控えに収受日付印の押なつを行わないこととしました。

 では、今後、納税者等が申告書等を提出した事実を確認したい場合はどのようにすればよいのでしょうか。

 これについてもQ&Aでは、下記のように紹介しています。

e-Taxを利用して申告書等を提出している場合は、メッセージボックスに格納された受信通知により確認することが可能です。

書面で申告した場合であっても所得税の申告書等については、オンライン申請による「申告書等情報取得サービス」や「保有個人情報の開示請求」、「納税証明書の交付請求」により確認することも可能です。

 なお、申告書等の控えへの収受日付印の押なつは行いませんが、申告内容等の事後の確認などのため、必要に応じてご自身で、控えの作成及び保有をするように依頼しています。

また、オンラインを利用しない場合であっても、従来どおり、税務署において「保有個人情報の開示請求」、「申告書等の閲覧サービス」、「納税証明書の交付請求」といった手段により確認することも可能です。

さらに、令和7年1月以降、当分の間の対応として、下図のような窓口で交付する「リーフレット」(今般の見直しの内容と申告書等の提出事実等の確認方法をご案内するもの)に申告書等を収受した「日付」や「税務署名」を記載したものを、希望者に渡すとしています。

郵送等により申告書等を提出する際に、切手を貼付した「返信用封筒」を同封された方に対しても、窓口での収受の場合と同様、当分の間の対応として、日付・税務署名(業務センター名)を記載したリーフレットを同封して返送するとしています。

仮に、申告書等を提出したにもかかわらず、税務署等から、「申告書等が提出されていないのではないか」といった問合せがあった場合などには、納付状況や他の証拠書類を確認しつつ、税理士及び納税者の方からの聴き取りなどを行った上で、そのリーフレットと申告書等の控えなどを確認することで、原則として、その日に税務署に来署し、申告書等を提出されたものとして取り扱うとしています。

ブログ 2024年11月22日

<令和7年度税制改正大綱策定について>


 令和61114日、自民、公明両党と、国民民主党の税制調査会幹部らが14日、それぞれ国会内で会談し、令和7年度税制改正の協議が本格的に始まりました。

 1027日に投開票があった衆議院総選挙において、国民民主党を中心にいわゆる「103万円の壁」が議論になりました。「103万円の壁」とは、暦年における給与収入が103万円以下であれば、本人に所得税は課されず、また、親の扶養(税務上からの扶養)からも外れません。この「103万円の壁」についての議論が注目されていますが、一方で、例年、税制調査会での検討に先立ち、財務省が各府省庁から要望を集め、その要望についても検討されます。その後、例年12月中旬に「税制改正大綱」として公表されます。830日時点の単純集計した令和7年度税制改正要望の状況は下記のとおりです。

ブログ 2024年11月22日

※参照URL

https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2025/request/fy2025request_total.pdf

この中から、特にトピックとなる内容について詳述していきます。

1)金融庁

 ①NISAの抜本的拡充等

  令和6年(2024年)1月に開始された新しいNISA制度にともない、手続きの更なるデジタル化を推進すること等により、投資家の利便性を向上させ、NISAの更なる普及・利用促進を図ります。

投資未経験者も含めて、利用者が簡単にNISAを活用できるようにし、サービスを提供する金融機関や利用者の負担を軽減するため、制度利用者への定期的な確認手続きにマイナンバーを利用するなどデジタル技術の活用により、NISAの手続簡素化・合理化を進めるべく要望を出しています。

ブログ 2024年11月22日

※「https://www.fsa.go.jp/news/r6/sonota/20240830/01.pdf」参照

 ②その他

  例年、金融庁は「生命保険料控除制度の拡充」「死亡保険金の相続税非課税限度額引上げ」「金融所得課税の一体化(金融商品に係る損益通算範囲の拡大)」を要望として掲げていますが、いずれも実現していません。

2)経済産業省

①法人版・個人版事業承継税制の見直し及び延長

  現行の特例事業承継税制は、法人版が平成30年度税制改正で抜本拡充、個人版が平成31年度税制改正で新設されました。この中で特例承継計画の期限は令和6年度税制改正において令和8331日まで延長されたが、役員就任要件等の見直しなどを追加で要望しています。なお、本要望は厚生労働省からも共同要望されていますが、特例事業承継税制の趣旨が新たな雇用の創出や雇用の継続にある点であると考えられます。

ブログ 2024年11月22日

※「https://www.meti.go.jp/main/zeisei/zeisei_fy2025/zeisei_k/202408302.pdf」参照

    その他(リース会計基準の変更に伴う所要の措置)

  企業会計基準委員会(ASBJ)から令和6913日に「リースに関する会計基準」が公表された。上場企業を中心に令和941日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から適用するとしている。このリース会計基準の導入により、いわゆるオペレーティングリース取引等も資産負債計上(オンバランス化)が要求され、実務への影響がかなり大きいものであると言えます。経済産業省からの税制改正要望としては、この企業の負担ができるだけ生じないようにする等の所要の措置を講ずるとコメントしています。

3)国土交通省

 ①住宅ローン減税等に係る所要の措

令和6年度税制改正大綱(令和51214日 自由民主党・公明党)において「①子育て世帯等に対する住宅ローン控除の拡充」、「②子育て世帯等に対する住宅リフォーム税制の拡充」として示された措置をさらに1年延長する方向で講じるとしています。具体的には下記図のとおりです。

ブログ 2024年11月22日

※「https://www.mlit.go.jp/page/content/001760257.pdf」参照


    老朽化マンションの再生等の円滑化のための組合による事業施行に係る特例措置の創設

マンションの建替え等の円滑化に関する法律(以下「マンション建替円滑化法」という。)は、建物の区分所有等に関する法律(以下「区分所有法」という。)に基づく建替え決議(同法第 62 条)がなされた後の事業法と位置付けられており、マンションの建替え等を円滑化する観点から、具体的な手続や事業の施行者である組合に係る税制上の特例等が規定されています。

今後の老朽化マンション等の急増に対応するため区分所有法において、区分所有建物の再生等の円滑化を図る方策として、一棟リノベーションをはじめ、建替えによらない新たな決議の創設が検討されていることから、マンション建替円滑化法において、それらの決議に対応する事業手続(組合設立等)の創設を検討しています(区分所有法及びマンション建替円滑化法について、改正を検討中)。

老朽化マンションの再生等においては、費用負担の問題が区分所有者間の合意形成の最大の阻害要因となっており、新たな事業手続を活用した再生等を円滑に進めるためには、これらの事業実施のために設立される組合について、従来の建替組合と同様の費用負担軽減が必要であることから、下記事項を要望するとしています。

ブログ 2024年11月22日

※「https://www.mlit.go.jp/page/content/001760257.pdf」参照

 以上、主な改正要望について確認をしてきたが、これから12月中旬にかけて、税制改正大綱の議論が本格化していきます。実務に直結する内容も多くふくまれることから、引き続き、報道機関の発表等を注視して下さい。

ブログ 2024年11月8日

<法人税等の申告(課税)事績の概要(令和5事務年度)について>


 令和5年10月30日、国税庁のウェブサイトに、「令和5事務年度 法人税等の申告(課税)事績の概要(令和6年10月)」が公表されました。令和5事務年度というのは、具体的には令和5年7月1日から令和6年6月30日を指しています。

具体的に法人税の申告事績、源泉所得税等の課税事績、トピックスとe-Taxの利用状況等について紹介されています。これらのうち、法人税の申告事績とe-Taxの利用状況等の概要を紹介していきます。

(1)令和5年度における法人税の申告事績の概要

 令和5年度(令和5年4月1日から令和6年3月31日までの事業年度)における法人税の申告件数は318万件で、その申告所得金額の総額は98兆2,781億円、申告税額の総額は13兆2,675億円となり、前年度に比べ、それぞれ13兆2,675億円(15.6%)、2兆4,825億円(16.7%)増加し、4年連続の増加となっています。

 また、申告所得金額の総額は、過去最高となりました。

具体的な「法人税の申告件数等の状況」や「申告所得金額の推移」は下記のとおりです。

ブログ 2024年11月8日
ブログ 2024年11月8日
ブログ 2024年11月8日

※国税庁参照URL

https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2024/hojin_shinkoku/pdf/hojin_shinkoku.pdf

(2)e-Taxの利用状況等について

令和5年度における法人税の申告のe-Tax 利用率は86.2%と、税務手続きのデジタル化が確実に進んでいます。

また、法人税の申告については、納税者や税理士の皆様の利便性向上と税務行政の効率化のため、添付書類(財務諸表や勘定科目内訳明細書等)を含めた e-Tax の利用(ALL e-Tax)を推進していますが、令和5年度における法人税申告の ALL e-Tax 率()は63.8%となりました。

なお、ALL e-Tax 率とは、法人税申告のうち、主要な別表に加え、財務諸表など添付すべきものとされている書類が e-Tax で送信された割合を言います。

(3)まとめ

 令和6年1月から大きな改正として、電子帳簿保存法の完全施行が開始されています。会計や税務の業界においても、電子化(DX化)がかなりのスピードで加速しているため、実務においては、これらの情報をいち早くキャッチアップして、各種制度対応の準備を進めてください。

ブログ 2024年10月25日

<令和5度における e-Tax の利用状況等について>


 令和61021日に、国税庁ウェブサイトにおいて、「令和5年度における e-Tax の利用状況等について」、公表されました。

国税庁では、デジタルガバメントの実現に向けた政府全体の方針に基づき、利用目標の設定を含む累次の計画を策定し、これに沿って、e-Tax の普及及び定着に取り組んできており、オンライン利用率の目標として、令和8年度時点において具体的に下記の目標を掲げています。

法人税申告:90

所得税申告:80

相続税申告:53

キャッシュレス納付割合:50

これをグラフに表したものが下記のとおりです。

ブログ 2024年10月25日

※国税庁ウェブサイト

https://www.e-tax.nta.go.jp/topics/topics_riyozyokyo/0610pressrelease.pdf」参照。

このような中で、令和5年度のe-Tax の利用状況等について公表されました。申告手続きにおいて大きく伸びたものが、「相続税申告」であり、+7.6%の増加率となっています。これを図示したものが下記のとおりです。

ブログ 2024年10月25日

※国税庁ウェブサイト

https://www.e-tax.nta.go.jp/topics/topics_riyozyokyo/0610pressrelease.pdf」参照。

なお、表中の「納税証明書の交付請求」も、令和5年度において+13.6%と大幅に増加しています。これは、令和4920日から、電子納税証明書(PDF形式及びXML形式)の交付及び納税証明書の郵送による書面交付について、従来のe-Taxソフト(WEB版)に加え、e-Taxソフト(SP版)から申請ができるようになったことが一因と考えらます。

このe-Taxソフト(SP版)を利用した納税証明書の交付請求には、申請者本人(法人の場合は代表者本人)のマイナンバーカードが必要ですが、スマートフォン及びタブレット端末からe-Taxソフト(SP版)にログインし、「納税証明書の交付請求書(電子交付用)」又は「納税証明書の交付請求(書面交付用)」から選択し、画面表示に従い必要事項を入力し、送信することで電子納税証明書の交付及び納税証明書の郵送による書面交付の申請ができるようになった点が大きな変更点です。

また、キャッシュレス納付割合についても、令和5年度において+3.1%の増加となっています。具体的な「納付手段別納付件数」は、下記のとおりです。

ブログ 2024年10月25日

※国税庁ウェブサイト

https://www.e-tax.nta.go.jp/topics/topics_riyozyokyo/0610pressrelease.pdf」参照。

令和6年度以降の新たな取組みについても公表されていて、その主な取組みは下記のとおりです。

・これまで複数存在していたe-Taxの入口を1つに整理するとともに、スマートフォン、タブレット、パソコンのいずれからも、見やすい画面により同一のメニューを利用できるようUI/UXの改善を行いました。(令和6年5月~)

・スマホ用電子証明書をスマートフォン(Android端末)に搭載することで、マイナンバーカードをかざすことなくe-Taxへのログインや送信を可能とします。(令和7年1月~)

・納税者自身の登録情報が確認できる「マイページ」で、相続税申告書を作成する際に必要となる過去の贈与税申告事績(e-Taxで提出した申告に限ります。)を確認できるようにします。(令和7年1月~)

・税理士が委任関係を結んだ納税者の「マイページ」の内容を確認できるようにします。

(令和7年5月~)

令和510月から消費税のインボイス制度が開始され、令和61月からは改正電子帳簿保存法の宥恕規定もなくなり本適用が開始されました。税を取り巻く環境はDX化が加速度的に進んでいます。引き続き、国税庁からの発表などを元に、DX化を進めて下さい。

ブログ 2024年10月12日

<インボイス制度について>


 令和5101日から、消費税のインボイス制度(適格請求書等保存方式)が開始され、一年が経過しました。

改めて、国税庁のウェブサイトに掲載されているインボイス制度について紹介していきます。

インボイス制度については、国税庁ウェブサイトのトップページのバナーにこちらのものがあります。

ブログ 2024年10月12日

このバナーをクリックすると下記の特設サイトに移動できます。

ブログ 2024年10月12日

※国税庁ウェブサイト

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/invoice.htm 参照

まず、右上の「インボイス制度公表サイト(適格請求書発行事業者公表サイト)」ですが、こちらは適格請求書等の発行登録申請がされて、その申請が受理されたものについて、登録番号を検索できるようになっています(下記リンク先参照)。

※国税庁ウェブサイト https://www.invoice-kohyo.nta.go.jp/

ここで注意頂きたいのが、個人名や屋号、法人名からは検索ができない点です。ただ、法人については、法人のマイナンバー(法人番号)が公表されており、このマイナンバー13桁がそのままインボイスの登録番号となります。したがって、法人番号を法人名から検索して調べれば、インボイスの登録が完了しているかどうかは判断できます。

一方、個人のマイナンバーは外部に公表されているものではなく、インボイスの登録番号との連動も全く無関係のものです。よって、個人については、個人名や屋号名から検索することは事実上できないことになります。請求書や領収書等にインボイスの番号(登録番号)が記載されていた場合には、こちらの検索サイトを利用して確認されることを推奨します。

インボイス制度の特設サイトの下半分は下記のような内容となっています。

ブログ 2024年10月12日

※国税庁ウェブサイト

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/invoice.htm 参照

インボイス制度の説明会については、国税局・税務署等にて開催している説明会等のみならず、オンライン説明会も用意されています。インボイス制度に関するオンライン説明会については、【導入編】【基礎編】【応用編】に分けて、それぞれ丁寧に解説されています。

また、こちらのリンク先のように、YouTubeにより会話形式でさらに分かりやすく説明されているものもあります。

※「消費税 インボイス制度特集」

 https://www.youtube.com/playlist?list=PLu9kixYOfBRIQFM6xcSFzcGmx_jc031qc

 また、「制度の概要」や「Q&A」、「取扱通達」や「申請手続」についても充実しています。「インボイスコールセンター」の案内も記載されていますが、「税務相談チャットポット」も用意されておりますので、チャットポットでまずは気軽に聞いてみると良いかと思われます。

 一年前に開始されたインボイス制度は、特に今まで免税事業者であった事業者に多大な影響が発生しました。当面は、いわゆる2割特例も創設されましたが、簡易課税制度を選択するかどうかなども同時に検討することが肝要です。特に簡易課税制度については選択後2年間、原則に戻れなくなるため注意が必要です。

ブログ 2024年9月27日

<「優良な電子帳簿のススメ!」のリーフレットについて>


 令和6918日に、国税庁のウェブサイトに「リーフレット「優良な電子帳簿のススメ!」が掲載されました。

 改正電子帳簿保存法においては、いわゆる電子取引データについては電子保存を強制する措置が定められており、2年間の宥恕期間を経て、本年の11日以降の取引から開始されています。


 今回は、改めてこの電子帳簿等保存制度について確認し、最後に優良な電子帳簿について確認をしていきます。

電子帳簿等保存制度とは、税法上保存等が必要な「帳簿」や「領収書・請求書・決算書など(国税関係書類)」を、紙ではなく電子データで保存することに関する制度をいい、下記の3つの制度に区分されています。

    電子帳簿等保存(任意措置で希望者のみ)

ご自身で最初から一貫してパソコン等で作成している帳簿や国税関係書類は、プリントアウトして保存するのではなく、電子データのまま保存ができます。例えば、会計ソフトで作成している仕訳帳やパソコンで作成した請求書の控え等が対象となります。さらに、一定の範囲の帳簿を「優良な電子帳簿」の要件を満たして電子データで保存している場合には、後からその電子帳簿に関連する過少申告が判明しても過少申告加算税が5%軽減される措置があります(あらかじめ届出書を提出している必要あり)。

    スキャナ保存(任意措置で希望者のみ)

決算関係書類を除く国税関係書類(取引先から受領した紙の領収書・請求書等)は、その書類自体を保存する代わりに、スマホやスキャナで読み取った電子データを保存することができます。

    電子取引データ保存(強制措置で法人や個人事業者は対応が必要)

申告所得税・法人税に関して帳簿・書類の保存義務が課されている者は、注文書・契約書・送り状・領収書・見積書・請求書などに相当する電子データをやりとりした場合には、その電子データ(電子取引データ)を保存しなければなりません。

この3つの制度を図示したものが次のとおりです。

ブログ 2024年9月27日

※国税庁ウェブサイト

https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/pdf/0021012-095_03.pdf#page=4 参照


 このうち、①電子帳簿等保存と②スキャナ保存については任意措置であると共に、令和3年度の税制改正において、税務署長の事前承認制度が廃止されたため、いつでも体制が整ったタイミングで開始することができるようになっています。

 詳細は、こちらのパンフレット等を参照してください。

    電子帳簿等保存(任意措置で希望者のみ)

https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/tokusetsu/pdf/0023006-085_02.pdf

    スキャナ保存(任意措置で希望者のみ)

https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/tokusetsu/pdf/0023006-085_03.pdf


 一方、③電子取引データ保存については、任意措置ではなく強制措置であるため、早めの準備が必要となります。

 その準備にあたっては、下記のとおり令和5年度の税制改正において、一部が見直されているため、これらも考慮していく必要があります。

・検索機能の全てを不要とする措置の対象者の見直し

税務調査等の際に電子取引データの「ダウンロードの求め(調査担当者にデータのコピーを提供すること)」に応じることができるようにしている場合に検索機能の全てを不要とする措置について、以下のとおり対象者が見直されました。

イ 検索機能が不要とされる対象者の範囲が、基準期間2課税年度前の売上高が「1,000 万円以下」の保存義務者から「5,000 万円以下」の保存義務者に拡大されました。

ロ 対象者に「電子取引データをプリントアウトした書面を、取引年月日その他の日付及び取引先ごとに整理された状態で提示・提出することができるようにしている保存義務者」が追加されました。

・令和4年度税制改正で措置された「宥恕措置」は、適用期限(令和5年1231日)をもって廃止になりました。

・新たな猶予措置の整備

 次のイ・ロの要件をいずれも満たしている場合には、改ざん防止や検索機能など保存時に満たすべき要件に沿った対応は不要となり、電子取引データを単に保存しておくことができることとされました。

イ 保存時に満たすべき要件に従って電子取引データを保存することができなかったことについて、所轄税務署長が相当の理由があると認める場合(事前申請等は不要)

ロ 税務調査等の際に、電子取引データの「ダウンロードの求め」及びその電子取引データをプリントアウトした書面の提示・提出の求めにそれぞれ応じることができるようにしている場合

 以上をフローチャート化して図示したものが下記のとおりです。

ブログ 2024年9月27日

※国税庁ウェブサイト

https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/tokusetsu/pdf/0023006-085_01.pdf 参照


では、「優良な電子帳簿」とはどのようなものを指すのか?これについて、今回掲載されたリーフレットにおいて、下記のとおり紹介されています。

「優良な電子帳簿」とは、税法上保存が必要な「帳簿」につき、次の①②に加え、③から⑤までの要件を満たしたものをいいます。

① システムの説明書やディスプレイ等を備え付けていること

② 税務職員からのデータの「ダウンロードの求め」に応じることができること

③ 訂正・削除・追加の履歴が残ること

④ 帳簿の相互関連性があること

⑤ 取引等の日付・金額・相手方に関する検索機能があること

これらの要件を満たした「優良な電子帳簿」を保存している場合には、その帳簿に関連する過少申告があっても、過少申告加算税の割合が原則10%から5%に軽減されることとなります。

 ここでいう帳簿とは、「仕訳帳」、「総勘定元帳」のほか、下記の「その他必要な帳簿」について上記①から⑤までの要件を満たす必要がありますが、「その他必要な帳簿」については全てを作成する必要はなく、作成されているものについて、上記要件を満たしていればよいこととなります。

<その他必要な帳簿の具体例>

売上帳、仕入帳、経費帳、売掛帳、買掛帳、受取手形記入帳、支払手形記入帳、貸付帳、借入帳、未決済項目に係る帳簿、固定資産台帳、繰延資産台帳、賃金台帳(所得税のみ)、有価証券受払い簿(法人税のみ)

しかし、「仕訳帳」や「総勘定元帳」については、「優良な電子帳簿」の要件を満たしたとしても、「その他必要な帳簿」について上記要件を満たすことが一般的には困難であると推察されます。まずは、「一般の電子帳簿」保存から是非チャレンジしてみて下さい。

ブログ 2024年9月13日

<納付書の事前送付に関するお知らせについて


 3月決算法人においては、9月末が中間決算日となり、一定の要件を満たす場合には11月末に中間納付をしなければなりません。この中間納付において、従来は、事前に税務署から納付書が送付されていましたが、令和6年5月以降に送付する分から、納付書の事前の送付を取りやめることとなっています。

具体的に、《事前送付を行わないこととなる方》については、下記のとおり国税庁のウェブサイトにおいて紹介されています。

○ e-Taxにより申告書を提出されている法人の方

○ e-Taxによる申告書の提出が義務化されている法人の方

○ e-Taxで「予定納税額の通知書」の通知を希望された個人の方

○ 「納付書」を使用しない次の手段により納付されている法人・個人の方

・ダイレクト納付(e-Taxによる口座振替)

・振替納税

・インターネットバンキング等による納付

・クレジットカード納付

・スマホアプリ納付

・コンビニ納付(QRコード)

※国税庁ウェブサイト https://www.nta.go.jp/taxes/nozei/oshirase.htm 参照

 なお、現在、e-Taxを利用されず、税務署から送付された納付書で納付されている方など納付書を必要とされる方に対しては、引き続き、納付書を送付することとしています。また、源泉所得税の徴収高計算書や、e-Taxによる申告書の提出が義務化されている法人以外の方に送付する消費税の中間申告書兼納付書については、引き続き送付していますが、電子申告及びキャッシュレス納付を利用するように勧めています。

このように、納付書の事前送付を廃止した理由として、国税庁では、「あらゆる税務手続が税務署に行かずにできる社会」の実現に向けて、キャッシュレス納付の利用拡大に取り組んでいるところ、社会全体の効率化と行政コスト抑制の観点を踏まえ、納付書を使用しない納付手段で納付した方などについては、納付書の事前の送付を取りやめていると、紹介しています。

実務としても実際に令和6年5月以降、法人税の納付書の事前送付はされておらず、国税については消費税の納付書が送付されています。一方で、地方税の納付書については自治体にもよりますが引き続き送付されています。

消費税は1月納付、3月納付、6月納付と特殊なものもありますが、地方税については、いわゆる中間期において納付書が送付されてくるため、そのタイミングで必ず法人税の中間納税額もe-Taxのメッセージボックスなどを確認して必ず一緒に納付することを失念しないように留意する必要があります。

ブログ 2024年8月23日

<令和5年分の所得税等の確定申告状況等について>


 令和6年5月、国税庁ウェブサイトに「令和5年分所得税等、消費税及び贈与税の確定申告状況等について」が掲載されました。

 これは、令和5年中の暦年課税の対象となる個人の確定申告のうち、所得税等、消費税及び贈与税の申告の状況等についてまとめられたものです。(個人)消費税については、令和5年10月から開始される適格請求書等保存制度(インボイス制度)によりどの程度、申告対象者が増えるのかが注目され、また、贈与税については、令和6年以降の贈与税の抜本的改正により、いわゆる暦年課税制度から相続時精算課税制度へ移行する者がどの程度増えるのかが注目されます。

このように消費税や贈与税は、本年以降、大きな変化が発生すると見込まれることから、本稿では所得税等の申告のうち、特にe-Tax(電子申告)の利用状況等について触れていきます。

まず、各年における所得税等の確定申告書のe-Taxによる送信方式別提出人員は下記の図のとおりです。

ブログ 2024年8月23日

※国税庁ウェブサイト https://www.nta.go.jp/information/release/pdf/0024005-100.pdf 参照(以下同様)

この図によると、令和5年分の所得税等の確定申告人員全体は約2,324万人にのぼり、そのうち、e-Taxを利用して確定申告をした人員が約1,604万人と69.0%にのぼっています。新型コロナウィルス感染症の影響もあり、令和2年分からe-Tax利用人員が、書面提出人員を逆転していることが読み取れます。

一方で、本報道発表資料内で注目しているのは、自宅等からの納税者本人によるe-Tax送信が平成30年分の約5倍に増えていて、確定申告会場で提出した方の約2倍を超えているという点です。

ブログ 2024年8月23日

また、納税者本人による送信には、大きく「マイナンバーカード方式」と「ID・パスワード方式」による送信がありますが、「マイナンバーカード方式」を利用した方が約690万人のうち約485万人と7割弱近くに達しています。そして、約485万人のうちスマホ申告(スマートフォンを利用して確定申告をした方)が約245万人と半数近くに達しています。マイナポータルで1年間分の医療費情報や公的年金等の源泉徴収票、国民年金保険料控除証明書が連携対象になり、一層スマホによる確定申告の利便性が向上したことが大きく増加している一因と考えられます。

ブログ 2024年8月23日

そして、注目すべき個人事業者の消費税の申告状況ですが、令和5年10月からインボイス制度が開始された関係で、令和5年分の個人事業者の消費税の申告件数は、約197万件(対前年比+86.9%)で、前年分から約91万7千件増加しました。

また、申告納税額についても、6,850億円(同+9.1%)となっており、前年分から増加しました。

ブログ 2024年8月23日

さらに、今回のインボイス制度導入に伴い免税事業者からインボイス発行事業者になった者は、約87万5千人で、そのうち、いわゆる2割特例の適用者が約73万4千人と83.9%に達しています。

ブログ 2024年8月23日

以上のように、個人の所得税の確定申告は、e-Taxを利用した確定申告がスタンダードになってきています。また、個人事業者の消費税の確定申告はインボイス導入によって前年比で大きく増加しました。本稿では申告方法に着目して紹介してきましたが、納税方法も電子納付(ダイレクト納付やクレジット納付)が普及してきているため、状況に応じて有効に活用しましょう。

ブログ 2024年8月9日

<「暮らしの税情報」について>


令和6年7月4日、国税庁のウェブサイトに、令和6年度版のパンフレット「暮らしの税情報」が公表されました。「暮らしの税情報」は、例年、その年の税制改正を反映したものがこの時期に公表されますが、暮らしに関する税金の考え方が一覧となっていて、概要を把握するのに有効な情報の一つです。「暮らしの税情報」に掲載されている具体的な項目は、下記に掲げるとおりです。

■  税の基礎知識

■  給与所得者と税

  高齢者や障害者と税

■ 暮らしの中の税

■ 不動産と税、贈与・相続と税

■  申告と納税

■  その他

参考URL https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/pdf/000.pdf

 「税の基礎知識」では、所得税や消費税の仕組み、帳簿書類の保存期間や青色申告制度についてその概要が記載されています。特に、「記帳や帳簿等保存・青色申告」については、電子帳簿保存法制度についても触れられています。また、「消費税のしくみ」においては、令和5年10月1日から開始されている「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」についても下記のとおり紹介されています。

ブログ 2024年8月9日

給与所得者と税」では、給与所得の源泉徴収票の見方や、配偶者控除や扶養控除といった家族と税、会社員が退職した際の退職金と税について紹介されています。

 「高齢者や障害者と税」では、公的年金等の所得計算や年金所得者の確定申告不要制度といった高齢者と税、障害者と税については障害者本人が受けられる特例と障害者を扶養している場合に受けられる特例が分かりやすく整理されています。

 「暮らしの中の税」では、「医療費を支払ったとき」「保険と税」「寄附金を支出したとき」「災害等にあったとき」「株式・配当・利子と税」についてそれぞれ紹介されています。

 医療費を支払った際には、通常の医療費控除とは別にセルフメディケーション税制といった特例を選択することもできます。保険については、主として生命保険について紹介されていて、生命保険料控除について、平成24年1月1日以後に契約した新契約に関するものとそれ以前の旧契約に関するものが一覧となっています。

寄付金はいわゆる「ふるさと納税」が人気となっていますが、一定の寄付金については、所得税において所得控除と税額控除が選択となっていて、いずれか有利な方法を適用することができます。また、新型コロナウィルス感染症による影響で申告や納税の期限を延長したいとき、震災や風水害も日本各地で発生しているが、これらの災害が発生した場合の雑損控除などについても詳細に紹介されています。「株式・配当・利子と税」については、租税特別措置法で特殊な取り扱いが定められており、いわゆる「NISA」制度については、令和6年1月1日から開始されている「つみたて投資枠」と「成長投資枠」についても下記のとおり一覧となっていて大変分かりすい表が掲載されています。

ブログ 2024年8月9日

不動産と税、贈与・相続と税」では、おおきく不動産に関する内容と贈与・相続に関する内容が紹介されています。不動産の中でもマイホームについては、取得・保有・売却の場面で多くの特例制度が存在します。マイホームで最も身近な特例制度であるいわゆる「住宅ローン控除」については、詳細に紹介されており、令和6年度の税制改正も反映されているため、制度の概要を把握するのに役立つと思われます。贈与については、贈与税の概要と3つの大きな非課税制度である「住宅取得等資金」「教育資金」「結婚・子育て資金」の各種特例について紹介されています。相続については、相続税の基礎控除や財産の代表的な宅地の評価についてその概要が紹介されています。

「申告と納税」では、各税目の申告期限と納期限の一覧、5つの納付方法などが紹介されています。具体的な確定申告書の作成は、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」が大変充実しており、その案内や電子申告やスマホ申告についても踏み込んだ紹介がされています。


以上のように、「暮らしの税情報」は、税金の概要を知る上で大変有用なものであり、特に生活に密接に関連した部分は、比較的深く掘り下げて紹介されています。気になる項目について、概要をこちらで把握して、より詳細な取り扱いをタックスアンサーなどで調べていくことをお薦めします。

ブログ 2024年7月26日

<税務署の内部事務のセンター化について


 令和6710日に、国税庁のウェブサイトに「税務署の内部事務のセンター化について」の案内が掲載されました。

国税庁では、税務署における内部事務(例えば、申告書の入力処理、申告内容についての照会文書の発送などの事務)の効率化・高度化を図るとともに、納税者利便の向上や外部事務(調査・徴収事務)の充実・高度化を目指し、令和37月から、一部の税務署を対象に、複数の税務署の内部事務を専担部署(業務センター)で集約処理する「内部事務のセンター化」を実施しています。

例年、710日は税務署の定期異動日となっているため、改めてこのタイミングで案内がされたものと考えられます。

 なお、内部事務のセンター化は、納税者の所轄税務署を変更するものではないため、あくまで申告書等の表題に記載する提出先は〇〇税務署長のままとなります。

 具体的な案内の内容は下記のとおりです。


1.業務センターへの申告書・申請書等の提出

内部事務のセンター化の対象となる税務署に、申告書・申請書等を提出する場合は、以下のとおりの対応を執ることとなります。

e-Tax(データ)により提出する場合は、所轄税務署へ送信(従来と変更なし)

 ・書面により提出する場合は、業務センターへ郵送(変更あり)

このように、書面による提出の場合の提出先が変更となります。郵送による提出先となる業務

センターの所在地は、「書面の申告書等の郵送による提出先となる業務センターの所在地(下記リンク先参照)」のとおりです。

  https://www.nta.go.jp/about/organization/gyoumu_center/pdf/0023004-032_03.pdf

 なお、詳細については、各国税局ページ(下記リンク先参照)を確認して欲しいとのことです。

  https://www.nta.go.jp/about/organization/gyoumu_center/index.htm#jokyo

 また、令和6710日以降の業務センターとセンター化の対象となる税務署は、「内部事務のセンター化の対象となる税務署一覧(下記リンク先参照)」のとおりです。

https://www.nta.go.jp/about/organization/gyoumu_center/pdf/0023004-032_04.pdf

 今まで、直接、税務署へ提出していた方もいらっしゃるかと思いますが、書面の申告書・申請書等を、業務センターへ直接持ち込むことはできないため、税務署の窓口及び時間外収受箱へ提出する場合は、引き続き、所轄税務署に直接提出することとなります。


2.業務センターから納税者・税理士への問合せ

 業務センターでは、納税者や税理士に対し、内部事務を処理するため、電話や文書により問合せをさせていただくことがあるとの記載があります。実際、小職も税務実務を行っていますが、業務センターからの問い合わせが増えていると感じています。


3.その他の案内

 「その他の案内」として、次の事項は業務センターでは対応していない旨が紹介されています。

・国税に関する相談(納付に関する相談を含む。)

・税務署の窓口で対応している納税証明書の交付、閲覧申請、情報公開、現金による国税の納付

・申告書や申請書等の用紙の送付依頼

以上のように、国税庁や国税局、各税務署においても、業務効率化の一環としての動きが加速しています。各税法の理解と共に、実務的な動きについても併せて確認してください。

ブログ 2024年7月12日

<「法人版事業承継税制」について>


 令和6年6月21日に国税庁ウェブサイトに、「非上場株式等についての贈与税・相続税の納税猶予・免除(法人版事業承継税制)のあらまし(令和66月)」が掲載されました。特例承継計画の提出期限は、令和6年度税制改正により令和8年3月31日まで延長されていますが、特例措置における贈与や相続の期限は令和9年12月31日で平成30年度税制改正以来変更されておりません。特例措置における適用期限が迫る中で、改めて法人版事業承継税制の特例措置と一般措置の違いを触れた上で、贈与税および相続税のそれぞれの適用要件を中心に確認していきます。

(1)概要

 法人版事業承継税制は、後継者である受贈者・相続人等が、「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律(以下「円滑化法」という)」の認定を受けている非上場会社の株式等を贈与又は相続等により取得した場合において、その非上場株式等に係る贈与税・相続税について、一定の要件のもと、その納税を猶予し、後継者の死亡等により、納税が猶予されている贈与税・相続税の納付が免除される制度です。

 この法人版事業承継税制には、「一般措置」と「特例措置」の2つの制度があり、特例措置については、事前の特例承継計画の策定等や10年以内の贈与・相続等といった適用期限が設けられていますが、納税猶予の対象となる非上場株式等の制限(総株式数の最大3分の2まで)の撤廃や納税猶予割合の引上げ(80%から100%)がされているなどの違いがあります。

ブログ 2024年7月12日

※国税庁ウェブサイト https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/0024006-044_01.pdf 参照

ブログ 2024年7月12日

※国税庁ウェブサイト https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sozoku/181219/pdf/0020006-132_02.pdf 参照

(2)非上場株式等についての贈与税の納税猶予の主な適用要件

①会社の主な要件

次の会社のいずれにも該当しないこと

⑴ 上場会社

⑵ 中小企業者に該当しない会社

⑶ 風俗営業会社

⑷ 資産管理会社(一定の要件を満たすものを除きます。)

②後継者である受贈者の主な要件

贈与の時において、

⑴ 会社の代表権を有していること

⑵ 20歳以上であること

⑶ 役員の就任から3年以上を経過していること⑷ 後継者及び後継者と特別の関係がある者

  で総議決権数の50%超の議決権数を保有することとなること

⑸ 後継者の有する議決権数が、次のイ又はロに該当すること(特例措置)

イ 後継者が1人の場合は、後継者と特別の関係がある者(他の後継者を除きます。の中で最も多くの議決権数を保有することとなること

ロ 後継者が2人又は3人の場合は、総議決権数の10%以上の議決権数を保

有し、かつ、後継者と特別の関係がある者(他の後継者を除きます。の中で最も

多くの議決権数を保有することとなること

③先代経営者等である贈与者の主な要件

⑴ 会社の代表権を有していたこと

⑵ 贈与の直前において、贈与者及び贈与者と特別の関係がある者で総議決権数の50%超の議決権数を保有し、かつ、後継者を除いたこれらの者の中で最も多くの議決権数を保有していたこと

⑶ 贈与時において、会社の代表権を有していないこと

④担保提供

納税が猶予される贈与税額及び利子税の額に見合う担保を税務署に提供する必要があります。ただし、この制度の適用を受ける非上場株式等の全てを担保として提供した場合には、納税が猶予される贈与税額及び利子税の額に見合う担保の提供があったものとみなされます。

⑤取得株数要件(特例措置)

後継者は、次の⑴又は⑵の区分に応じた一定数以上の非上場株式等を取得する必要があります。

⑴ 後継者が1人の場合

次の①又は②の区分に応じた株数

① ab×2/3-cの場合・・・「b×2/3-c」以上の株数

② a<b×2/3-cの場合・・・「a」の全ての株数

⑵ 後継者が2人又は3人の場合

次の全てを満たす株数

① db×1/10

② d>贈与後における先代経営者等の有する会社の非上場株式等の数

a:贈与の直前において先代経営者等が有していた会社の非上場株式等の数

b:贈与の直前の会社の発行済株式等の総数

c:後継者が贈与の直前において有していた会社の非上場株式等の数

d:贈与後における後継者の有する会社の非上場株式等の数

ブログ 2024年7月12日

※国税庁ウェブサイト https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/0024006-044_01.pdf 参照

(3)非上場株式等についての相続税の納税猶予の主な適用要件

①会社の主な要件

次の会社のいずれにも該当しないこと

⑴ 上場会社

⑵ 中小企業者に該当しない会社

⑶ 風俗営業会社

⑷ 資産管理会社(一定の要件を満たすものを除きます。)

②後継者である相続人等の主な要件

⑴ 相続開始の日の翌日から5か月を経過する日において会社の代表権を有して

いること

⑵ 相続開始の時において、後継者及び後継者と特別の関係がある者で総議決権数の50%超の議決権数を保有することとなること

⑶ 相続開始の時において後継者が有する議決権数が、次のイ又はロに該当すること(特例措置)

イ 後継者が1人の場合は、後継者と特別の関係がある者(他の後継者を除きます。の中で最も多くの議決権数を保有することとなること

ロ 後継者が2人又は3人の場合は、総議決権数の10%以上の議決権数を保有し、かつ、後継者と特別の関係がある者(他の後継者を除きます。の中で最も多くの議決権数を保有することとなること

⑷ 相続開始の直前において、会社の役員であること(被相続人が60歳未満で死亡した場合を除きます。)

③先代経営者等である被相続人の主な要件

⑴ 会社の代表権を有していたこと

⑵ 相続開始直前において、被相続人及び被相続人と特別の関係がある者で総議決権数の50%超の議決権数を保有し、かつ、後継者を除いたこれらの者の中で最も多くの議決権数を保有していたこと

④担保提供

納税が猶予される相続税額及び利子税の額に見合う担保を税務署に提供する必要があります。ただし、この制度の適用を受ける非上場株式等の全てを担保として提供した場合には、納税が猶予される相続税額及び利子税の額に見合う担保の提供があったものとみなされます。

ブログ 2024年7月12日

※国税庁ウェブサイト https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/0024006-044_01.pdf 参照

(4)まとめ

 法人版事業承継税制は、あくまで納税の猶予制度であり免除制度ではありません。したがって、納税の猶予を継続するためには、贈与税の納税猶予から相続税の納税猶予に切り替える必要があります。その逆もまた同様です。したがって、上記(2)および(3)のとおり、適用要件が極めて類似しているのです。

 また、特例措置は令和9年1231日までの贈与及び相続等に限られ、その特例措置を受けるための都道府県へ提出する特例承継計画は令和8年3月31日までに行う必要があります。

 取引相場のない株式(自社株式)の評価額がどの程度の金額か、まずは概算した上で、本制度を適用するかどうかを慎重に見極める必要があります。

ブログ 2024年6月28日

<令和6年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について>


 令和6年6月18日に国税庁より、「令和6年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について(法令解釈通達)」が公表されました。

この法令解釈通達では、令和6年分の相続税及び贈与税の申告のため、取引相場のない株式を原則的評価方法の一つである類似業種比準方式により評価する場合、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、簿価純資産価額及び株価について定めています。

類似業種比準方式については、類似業種の株価として、「課税時期の属する月」、「課税時期の属する月の前月」、「課税時期の属する月の前々月」、「前年平均株価」、「課税時期の属する月以前2年間の平均株価」のうち最も低いものを利用できるとされています。

したがって、国税庁から公表される「類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について」も課税時期の属する月の前々月の株価等までが掲載されています。

ここで留意すべき点は、今回公表された法令解釈通達において、業種目ごとに標本会社が見直されている可能性がある点です。

つまり、今回公表された「類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等(令和6年分)」における「令和5年11月分」及び「令和5年12月分」の株価と、前回公表された「類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等(令和5年分)」における令和5年11月分」及び「令和5年12月分」の株価は、標本会社が見直されている結果、異なるケースがあります。

具体例として下記に掲げる「建設業(総合工事業)」の株価を比較してください。どちらの表にも「令和5年11月分」及び「令和5年12月分」の株価が記載されていますが、両者の金額は異なっています。ここで、課税時期が令和6年以降のものについては、「令和6年分」の表に記載の株価を利用し、「令和5年分」の表に記載されている株価は利用しないこととなります。

課税時期がいつ発生したものかによって、利用する表も異なってくるので留意する必要があります。

ブログ 2024年6月28日
ブログ 2024年6月28日

ブログ 2024年6月14日

<直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税措置について>


 令和6年5月24日に、国税庁のウェブサイトに『「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」のあらまし』が公表されました。

住宅取得等資金の非課税措置については、世代を超えて資産移転を図る制度として、受贈者が居住用の不動産(マイホーム)を取得する際に、直系の父母や祖父母から一定の資金援助を受けた場合に非課税とする措置です。令和6年度の税制改正において、要件に多少の変更があったものの制度そのものは延長されました。

具体的には、令和6年1月1日から令和8年12月31日までの間に父母や祖父母など直系尊属からの贈与により、自己の居住の用に供する住宅用の家屋の新築、取得又は増改築等(以下「新築等」といいます)の対価に充てるための金銭(以下「住宅取得等資金」を取得した場合において、一定の要件を満たすときは、下記表の非課税限度額までの金額について、贈与税が非課税となります。

ブログ 2024年6月14日
ブログ 2024年6月14日

今回の非課税措置の特徴として、いわゆる「省エネ住宅」の基準が厳格化されたことです。省エネ等基準には、「省エネルギー性能」「耐震性能」「バリアフリー性能」についての定めがありますが、今回の改正により、「省エネルギー性能」について厳格化が図られました。これを図示すると、下記のとおりとなります。

ブログ 2024年6月14日

※国税庁ウェブサイト

https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/0024005-031_01.pdf 参照

このように、「省エネルギー性能」の改正はありましたが、それ以外の要件は大きな改正点はありません。令和6年から、暦年課税制度におけるいわゆる生前贈与加算の持ち戻しが3年から7年に伸長されるなど大きな改正があり、既にその適用が開始されています。一方で、住宅取得等資金の非課税制度は、多少の改正はありましたが、直近の令和5年分の贈与税申告においても約62,000人が適用している制度です。ぜひ国税庁の本あらましを参照して、有効に特例措置を活用してください。

ブログ 2024年5月24日

<「事業承継・引継ぎ補助金」について>


 「事業承継・引継ぎ補助金」のウェブサイト上に令和6年4月1日に第8回公募の採択者決定について公表されました。

 「事業承継・引継ぎ補助金」は、事業再編、事業統合を含む事業承継を契機として経営革新等を行う中小企業・小規模事業者に対して、その取組に要する経費の一部を補助するとともに、事業再編、事業統合に伴う経営資源の引継ぎに要する経費の一部を補助する事業を行うことにより、事業承継、事業再編・事業統合を促進し、我が国経済の活性化を図ることを目的とする補助金です。

 この補助金の特徴は、大きく、下記の3類型から構成されていて、その中でさらに分類が分かれています。具体的な内容を図示すると下記のとおりです。

1.経営革新枠

2.専門家活用枠

3.廃業・再チャレンジ枠

ブログ 2024年5月24日
ブログ 2024年5月24日
ブログ 2024年5月24日

 一方、どの類型においても、交付申請に際しては、経済産業省が運営する補助金の電子申請システム「jGrantsJグランツ)」を利用する必要があり、その利用にあたっては、「gBizIDプライム」アカウントが必要となります。

 具体的な各補助金の交付までの流れ(9次公募の例)は、下記図のとおりです。

ブログ 2024年5月24日

※「事業承継・引継ぎ補助金」のウェブサイト(https://jsh.go.jp/r5h/assets/pdf/09/explanatory_material.pdf)参照

 令和5年度補正予算の第8回公募の「事業承継・引継ぎ補助金」については、令和6年1月9日から令和6年2月16日まで公募が行われ、外部審査委員会による厳正な審査の結果、「経営革新事業」については334件の申請に対して201件(採択率60.2%)が、「専門家活用事業」については374件の申請に対して229件(採択率61.3%)が交付決定されています。さらに、「廃業・再チャレンジ事業」については、1件の単独申請と21件の併用申請に対して12件(採択率54.5%)が交付決定されています。

 一方、「事業再構築補助金」の採択結果は、下記のとおりとなっています。

第1回 応募件数23,231件に対して8,016件(採択率36.0%)

第2回 応募件数20,800件に対して9,336件(採択率44.9%)

第3回 応募件数20,307件に対して9,021件(採択率44.4%)

第4回 応募件数19,673件に対して8,810件(採択率44.7%)

第5回 応募件数21,035件に対して9,707件(採択率46.1%)

第5回 応募件数15,340件に対して7,669件(採択率50.0%)

第7回  応募件数15,132件に対して7,745件(採択率51.2%)

第8回  応募件数12,591件に対して6,456件(採択率51.3%)

第9回  応募件数9,369件に対して4,259件(採択率45.5%)

第10回 応募件数10,821件に対して5,205件(採択率48.1%)

第11回 応募件数9,207件に対して2,437件(採択率26.5%)


採択率でいうと、「事業承継・引継ぎ補助金」は比較的高いことがいえます。上記図の流れや申請要件を丁寧に確認して、該当する場合には是非チャレンジしてみることを推奨いたします。

ブログ 2024年5月10日

<定額減税(予定納税・確定申告関係)について>


 令和6年4月30日に国税庁ウェブサイトにおいて、令和6年分所得税の定額減税Q&A(予定納税・確定申告関係)が掲載されました。

定額減税制度は、令和6年分所得税について、以前導入されていた定率減税と異なり、給与所得者であれば源泉徴収義務者である事業者が源泉所得税から控除する形式で行われる予定で、その源泉徴収も6月分のものから行うとされています。一方で、自営業者等の確定申告対象者は、給与所得者と異なり、毎月の源泉徴収税額から控除することはできないため、別の措置が執られることとなります。

この自営業者等を中心とした定額減税Q&Aが、国税庁ウェブサイトの「定額減税特設サイト」に掲載された。今回は、これらの中から特に中心的な内容を紹介していきます。

今回のQ&Aは、予定納税に関する内容が7項目、確定申告等に関する項目が6項目紹介されていて、具体的な内容としては下記のとおりです。


<令和6年分の所得税に係る予定納税>

1-1 令和6年分の所得税に係る納期等の特例

1-2 令和6年分の予定納税額

1-3 令和6年分の申告納税見積額

1-4 予定納税額の減額申請をすることができる場合

1-5 予定納税特別控除額

1-6 7月の予定納税額の減額申請をする場合の予定納税特別控除額の控除

1-7 11月の予定納税額の減額申請をする場合の予定納税特別控除額の控除

<令和6年分の所得税に係る確定申告等>

2-1 確定申告において定額減税の対象となる同一生計配偶者等

2-2 確定申告において定額減税の適用を受ける場合の申告書の記載事項

2-3 給与等と公的年金等の源泉徴収税額から定額減税の適用を受けた者

2-4 令和6年6月1日以後に準確定申告書を提出する場合の定額減税

2-5 令和6年5月31日以前に準確定申告書を提出している場合の定額減税

2-6 純損失の繰戻しがある場合


まず、予定納税についてですが、今回の定額減税の措置として、第1期分の予定納税額は、Q&Aの1-2に記載のとおり、予定納税基準額の3分の1に相当する金額(100 円未満の端数がある場合には、その端数を切り捨てた金額)から、本人分に係る定額減税額に相当する金額(30,000 円)を控除した残額となるとしています。一方で、同一生計配偶者や扶養親族の分も併せて控除したい場合には、まずQ&A1-5に記載の「予定納税特別控除額」を算出し、その上で、Q&A1-6および1-7における「予定納税特別控除額の控除」に従い、それぞれ順次控除され

ることとなります。この予定納税特別控除額の控除については減額申請を行う必要があるため、Q&A1-1において、下記のとおり減額申請の期限を令和6年分に限り延長される予定です。

ブログ 2024年5月10日

※国税庁ウェブサイト https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shotoku/0024004-072_01.pdf 参照


 次に、確定申告等についてですが、確定申告等で定額減税を受ける場合においても当然に同一生計配偶者や扶養親族についての控除も認められることとなります。ただ、Q&Aの2-2に記載のとおり、確定申告書において、「氏名」、「生年月日」、「マイナンバー」等を記載する必要があります。

また、注目すべき内容としてQ&Aの2-3が挙げられます。それは、「給与等と公的年金等の源泉徴収税額から定額減税の適用を受けた者」、つまり重複して定額減税を受けた者の取扱いである。本Q&Aによれば、重複して定額減税を受けただけをもって確定申告義務は発生せず、あくまで従来どおり、下記記載の方については確定申告が不要となるため、結果的に二重で定額減税が受けられることとなります。

・ 給与の収入金額が 2,000 万円以下で、かつ、給与所得及び退職所得以外の所得金額が 20万円以下であるなどの一定の要件を満たすことにより確定申告が不要とされている方

・ その年中の公的年金等の収入金額が 400 万円以下であって、かつ、その年分の公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が 20 万円以下であることにより、確定申告が不要とされている方(その公的年金等の全部が源泉徴収の対象となっている方に限ります。)

 さらに、Q&Aの2-4と2-5については、準確定申告を提出している(する)場合の取扱いについて定められていますが、注目すべきはあくまで定額減の対象は令和6年6月1日以後に提出する令和6年分の確定申告書について適用するとしていることから、5月31日以前に提出する場合は適用されないとしています。一方で、5月31日以前に準確定申告書を提出した者は、更正の請求を行うことにより、定額減税の適用を受けることができるとされています。


今回は自営業者等を中心として予定納税や確定申告等について確認をしてきましたが、やはり給与所得者の定額減税制度のうち「月次減税事務」が実務への影響が大きいと判断されます。6月からの開始される「月次減税事務」の準備を早めに行っておくことが肝要です。

ブログ 2024年4月26日

〈令和6年度税制改正について〉


 令和5年12月14日に令和6年度の税制改正大綱が公表され、12月22日に閣議決定されました。その後、令和6年度税制改正法が3月28日、参議院本会議で与党などの賛成多数で可決、成立しました。

その後、財務省のウェブサイトにおいて、「令和6年度の税制改正」のパンフレットが掲載されました。今回は改めて税制改正の骨子と主要な改正内容を紹介していきます。

まず、冒頭において、「令和6年度税制改正では、賃金上昇が物価高に追いついていない国民の負担を緩和し、物価上昇を上回る持続的な賃上げが行われる経済の実現を目指す観点から、所得税・個人住民税の定額減税の実施や、賃上げ促進税制の強化等を行う」としています。また、「資本蓄積の推進や生産性の向上により、供給力を強化するため、戦略分野国内生産促進税制やイノベーションボックス税制を創設し、スタートアップ・エコシステムの抜本的強化のための措置を講じ、加えて、グローバル化を踏まえてプラットフォーム課税の導入等を行うとともに、地域経済や中堅・中小企業の活性化等の観点から、事業承継税制の特例措置に係る計画提出期限の延長等を行う」としています。

そして、具体的な税制改正の内容として下記のものが紹介されています。

<個人所得課税>

・所得税・個人住民税の定額減税

・ストックオプション税制の利便性向上

・住宅ローン控除の拡充

<資産課税>

・法人版事業承継税制の特例措置に係る特例承継計画の提出期限の延長

<法人課税>

・賃上げ促進税制の強化

・戦略分野国内生産促進税制の創設

・イノベーションボックス税制の創設

・中小企業事業再編投資損失準備金制度の拡充

・第三者保有の暗号資産の期末時価評価課税の見直し

・交際費から除外される飲食費に係る見直し

<消費課税>

・プラットフォーム課税の導入

<国際課税>

・非居住者に係る暗号資産等取引情報の自動的交換のための報告制度の整備等

<納税環境整備>

・GビズIDとの連携によるe-Taxの利便性の向上

・更正の請求に係る隠蔽・仮装行為に対する重加算税制度の整備

このうち、まず、個人所得課税の「所得税・個人住民税の定額減税」については、デフレ完全脱却のための一時的な措置として、納税者及びその配偶者を含めた扶養親族1人(いずれも居住者)につき、令和6年分の所得税3万円、令和6年度分の個人住民税1万円の減税を実施するとしています。これを図示したものが下記のとおりです。

ブログ 2024年4月26日

※財務省ウェブサイhttps://www.mof.go.jp/tax_policy/publication/brochure/zeisei2024_pdf/zeisei24_all.pdf」参照


同じく個人所得課税の「住宅ローン控除の拡充」については、現下の急激な住宅価格の上昇等の状況を踏まえ、子育て世帯及び若者夫婦世帯における借入限度額について、子育て支援の観点からの上乗せを行い、さらに、新築住宅の床面積要件について、合計所得金額1,000万円以下の者に限り40㎡に緩和するとしている。この子育て世帯等における借入限度額の拡充を図示すると下記のとおりとなります。

ブログ 2024年4月26日

※財務省ウェブサイトhttps://www.mof.go.jp/tax_policy/publication/brochure/zeisei2024_pdf/zeisei24_all.pdf」参照


次に資産課税における「法人版事業承継税制の特例措置に係る特例承継計画の提出期限の延長」については、特例承継計画の提出期限がそれまでの令和6年3月末から令和8年3月末まで2年間延長されました。

最後に法人課税における「交際費から除外される飲食費に係る見直し」について紹介しておく。交際費等は損金不算入とされているが、平成18年度税制改正により、会議費相当とされる1人5,000円以下の飲食費は交際費等の範囲から除外され、全額損金算入されています。この5,000円以下とされている飲食費の金額基準について、会議費の実態等を踏まえ、10,000円以下まで引き上げるとしている。また、接待飲食費に係る損金算入の特例及び中小法人に係る損金算入の特例の適用期限を3年延長されました。これを図示したものが下記のとおりです。

ブログ 2024年4月26日

※財務省ウェブサイトhttps://www.mof.go.jp/tax_policy/publication/brochure/zeisei2024_pdf/zeisei24_all.pdf」参照


以上、主だった項目を紹介してきたが、令和6年単年におけるもっとも大きい改正項目は、やはり所得課税の定額減税制度であるといえる。6月から定額減税の月次減税事務が開始される予定であるので、早めに準備しておくことが肝要です。

ブログ 2024年4月12日

<6月から始まる定額減税(月次減税事務)について>


 令和5年12月14日に令和6年度の税制改正大綱が公表され、12月22日に閣議決定されました。この中で、令和6年分所得税について、定額減税制度が示されました。定額減税は、以前導入されていた定率減税と異なり、給与所得者であれば源泉徴収義務者である事業者が源泉所得税から控除する形式で行われる予定で、その源泉徴収も6月分のものから行うとされています。

国税庁では、このような状況から、令和6年1月30日に「定額減税特設サイト」を設け、源泉徴収義務者が早期に準備に着手できるよう、法案の国会提出前であっても、制度の詳細についてできる限り早急に公表するとともに、源泉徴収義務者向けのパンフレットの作成等広報活動を開始し、給付金担当を含む関係省庁や地方公共団体ともよく連携しながら、制度の趣旨・内容等について、丁寧な周知広報を行うこととされました。

また、令和6年2月5日には、国税庁ウェブサイトに「令和6年分所得税の定額減税Q&A」が公表されました。今回は、これらの中から特に6月から対応が必要な「月次減税事務」について紹介していきます。

給与所得者に対する定額減税制度は、大きく、令和6年6月から対応を行う必要がある「月次減税事務」と同年11月ごろに行う「年調減税事務」の2種類に分かれます。これを図示すると下記のとおりとなります。

ブログ 2024年4月12日

国税庁ウェブサイトhttps://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/0023012-317.pdf


このうち、「月次減税事務」については、令和6年6月以後の給与等に対する源泉徴収税額から定額減税額を控除することとなります。そして、注目すべきは、令和6年6月1日現在、旧与党の源泉徴収において源泉徴収税額表の甲欄が適用される居住者の人(その給与の支払者に扶養控除等申告書を提出している居住者の人)が対象となり、これを「基準日在職者」と呼んでいます。定額減税制度について合計所得金額1,805万円超は対象となりませんが、月次減税事務においては、「基準日在職者」にすれば、仮に合計所得金額が1,805万円を超える見込みがあっても、該当一旦控除対象となることに留意する必要があります。さらに、「基準日在職者」に該当しない場合は、「月次減税事務」の対象とならないため、令和6年6月1日よりも前に既に退職している場合や同日後に入社した給与所得者についても対象となりません。

「基準日在職者」に該当していても、その後、その給与所得者が退職した場合には、「月次減税事務」は打ち切りとなり、全て「年調減税事務」で対応することとなります。

ここで問題となるのが、いくらを控除していくかとなるかという点であります。

国税分としての定額減税額は、次の金額の合計額であるが、その合計額がその人の「令和6年分の所得税額」を超える場合には、控除される金額は、その所得税額が限度となります。

   本人(居住者に限る。)30,000

   同一生計配偶者又は扶養親族(いずれも居住者に限ります。)1人につき 30,000

このうち、同一生計配偶者と扶養親族の定義が、通常の所得税における配偶者控除(配偶者特別控除)や扶養控除と定義が異なる点に留意する必要があります。扶養親族については、16歳未満の扶養親族も対象となります。同一生計配偶者については、下記図のとおりとなります。

ブログ 2024年4月12日

国税庁ウェブサイトhttps://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/0023012-317.pdf


注目頂きたいのは、配偶者の合計所得金額が48万円以下であれば、仮に本人(所得者)の合計所得金額が900万円を超える場合であっても定額減税額の計算に含めるという点であります。この配偶者と扶養親族の人数の把握を給与所得者一人一人行う必要があります。

そして、これらの同一生計配偶者や扶養親族を対象とする場合には、「源泉徴収に係る定額減税のための申告書」を控除対象者から提出を受ける必要がある。この「源泉徴収に係る定額減税のための申告書」は以下のようなものとなります。

ブログ 2024年4月12日

国税庁ウェブサイトhttps://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/teigaku/pdf/0024002-044_01.pdf


給与所得者の定額減税制度のうち「月次減税事務」は6月からの開始ではあるが、これらの同一生計配偶者や扶養親族の把握や「源泉徴収に係る定額減税のための申告書」の提出事務などを考慮すると、本文執筆時点である令和6年4月から準備を進めておくことが肝要であります。

ブログ 2024年3月22日

<相続登記の義務化と相続税の課税について>


 令和6年4月1日から、相続登記の申請が義務化されます。これは、従来、相続登記がされないために、登記簿謄本を見ても所有者が誰だか分からない「所有者不明土地」が全国で増加し、周辺の環境悪化や公共工事の阻害原因になるなどの社会問題に対処するためというのが背景としてあります。

その具体的内容は下記のとおりです。

・相続や遺言によって不動産を取得した相続人は、その所有権の取得を知った日から3年以内に相続登記の申請をしなければなりません。

・遺産分割が成立した場合には、これによって不動産を取得した相続人は、遺産分割が成立した日から3年以内に、相続登記をしなければなりません。

※上記いずれについても、正当な理由なく義務に違反した場合は10万円以下の過料(行政上のペナルティ)の適用対象となります。

なお、令和6年4月1日より以前に相続が開始している場合も3年の猶予期間があるが、義務化の対象となります。

一方で、早期の遺産分割が難しい場合には、新たに「相続人申告登記」という簡便な手続きも新たに設けられました。

この制度は、所有権の登記名義人について相続が開始した旨と、自らがその相続人である旨を申請義務の履行期間内(3年以内)に登記官に対して申し出ることで、申請義務を履行したものとみなす(登記簿に氏名・住所が記録された相続人の申請義務のみ履行したことになる)というものです。そして、申出を受けた登記官は、所要の審査をした上で、申出をした相続人の氏名・住所等を職権で登記に付記されます。その登記簿を見ることで相続人の氏名・住所を容易に把握することが可能になるというものであります。

この「相続人申告登記」は、相続人が複数存在する場合でも特定の相続人が単独で申出が可能(他の相続人の分も含めた代理申出も可能)であり、また、法定相続人の範囲及び法定相続分の割合の確定が不要であるというのも特徴です。

では、今回の相続登記の義務化によって、相続税が新たに課税されることになりますでしょうか。

そもそも、相続税については、時効が5年(相続税の法定申告期限から5年)であり、時効が成立している場合に、新たに相続税が課税されることはありません。もっとも、相続が発生した当時において、相続税の課税価格の合計額が相続税の基礎控除以下であれば、相続税自体が課されることはありません。

ここまで確認したように、相続登記の義務化によって、新たに相続税が課されるということではないため、相続登記が未了の場合には、速やかに相続登記の申請を行っていくことが肝要です。

ブログ 2024年3月8日

<財産債務調書制度の見直しについて>


 令和5年分の所得税の確定申告期間は、令和6年2月16日から3月15日までとなっていますが、一定の所得や有価証券を所有していると、財産債務調書も同時に提出することが義務付けられていました。これが令和4年度税制改正において、提出義務者や提出期限の見直しが図られ、令和5年分以後の財産債務調書について適用となります。

 具体的な見直しの内容は下記の項目についてです。

   財産債務調書の提出義務者の拡大

   提出期限の後倒し

   記載簡略化の範囲の拡充

 まず、①についてですが、従来の提出義務者の範囲は下記のいずれも満たす方でした。

・その年分の退職所得を除く各種所得の金額の合計額が 2,000万円を超える場合

・その年の1231日において、その合計額が3億円以上の財産又は1億円以上の国外転出特例対象財産(例:有価証券、未決済信用取引)を有する場合

 一つ目の所得基準を満たしていても、二つ目の財産基準を満たしていなければ、財産債務調書を提出する必要はありませんでした。

 ところが、令和4年度税制改正において、所得基準が該当していなくても、その年の1231日において、その合計額が10億円以上の財産を有する方は財産債務調書の提出義務者として追加されました。この改正により、仮に所得税の申告義務がない方であっても、年末時点の財産が10億円以上ある場合は、財産債務調書を提出する必要が生ずることとなります。

 次に②についてですが、従来、財産債務調書の提出期限はその年の翌年3月15日でしたが、令和5年分以後からは、その年の翌年6月30日に後ろ倒しとなりました。例年、確定申告の期間中に財産債務調書に記載する財産の内容の詳細も同時に確認する必要がありましたが、今後は、確定申告期限後に作成していけば問題ありません。

 最後に③についてですが、従来は、記載が簡略できる金額基準が100万円未満でしたが、300万円に範囲が拡充されました。また、減価償却資産については、青色申告決算書又は収支内訳書の「減価償却費の計算」欄に記載された減価償却資産を個別に記載する必要がありましたが、令和5年分以後の財産債務調書から総額の記載で足りることとなりました。

 これを具体的に図示したものが下記のとおりです。

ブログ 2024年3月8日
ブログ 2024年3月8日

※国税庁ウェブサイトhttps://www.nta.go.jp/publication/pamph/hotei/zaisan_saimu/pdf/zaisan_leaflet.pdf 参照


 ここまで確認してきた財産債務調書と類似するものとして、国外財産調書があります。この国外財産調書の提出期限も令和5年分以後の分から、翌年6月30日と後ろ倒しされています。財産債務調書についての罰則規定は特にありませんが、国外財産調書については提出がない場合に罰則規定があります。令和5年分のものから、所得税の確定申告期限とは異なる期限が設けられているため、逆に注意しておく必要があります。

ブログ 2024年2月23日

<令和4年分の国外財産調書の提出状況について


 令和6年1月31日、国税庁ウェブサイトに「令和4年分の国外財産調書の提出状況について」が掲載されました。

 国外財産調書制度は、近年、国外財産の保有が増加傾向にある中で、国外財産に係る課税の適正化が喫緊の課題となっていることなどを背景として、国外財産を保有する方からその保有する国外財産について申告していただく仕組みであり、平成24年度の税制改正により導入され、平成26年1月から施行されています。

具体的には、その年の12月31日において、その価額の合計額が5,000万円を超える国

外財産を保有する居住者の方(非永住者の方を除く。)は、その年の翌年の3月15日までに、当該国外財産の種類、数量及び価額その他必要な事項を記載した「国外財産調書」を、所轄税務署長に提出しなければならないこととされています。

 なお、令和4年度税制改正により、令和5年分以降の国外財産調書の提出期限が、その年の翌年6月30日に後倒しされています。

 国外財産調書制度は、財産債務調書制度と異なり、国外財産調書を提出しなかった場合の罰則規定(1年以下の懲役又は 50 万円以下の罰金)が設けられている点が特徴です。

 ここでは、令和6年1月31日に公開された令和4年分の国外財産調書の提出状況について解説していきます。

 まず、令和4年分の国外財産調書の総提出件数は、12,494件であり、東京局(7,900件)、大阪局(1,867件)、名古屋局(861件)で、全体の約85.1%を占めています。

 国外財産調書に記載された総財産額は、5兆7,222億円であり、東京局のみで約761%(4兆3,549億円)に達しています。

 財産の種類別総額は下記のとおりでありますが、有価証券が突出していることが読み取れす。

ブログ 2024年2月23日

国税庁ウェブサイト「https://www.nta.go.jp/information/release/pdf/0023012-286.pdf」参照。

 有価証券が多い理由は、外資系の証券会社を通じて外国銘柄の有価證券を所有している割合が多いことを示しています。

 国外財産調書制度においては、適正な提出を確保するための特例措置が設けられており、令和4事務年度における所得税及び相続税の実地調査の結果、特例措置を適用した件数及び対象となった増差所得等金額は次のとおりです。

ブログ 2024年2月23日

国税庁ウェブサイト「https://www.nta.go.jp/information/release/pdf/0023012-286.pdf」参照。

 国外財産調書の記載漏れや提出がないことにより、加重措置を受けている納税者が多いことが読み取れます。

 令和5年分の所得税の確定申告期限が令和6年3月15日となっているため、国外財産調書の提出期限が6月30日に後倒しになったとはいえ、提出する必要がある納税者は併せて準備されることをお勧めします。

ブログ 2024年2月9日

〈令和6年度税制改正大綱(定額減税)について〉


 令和5年12月14日に令和6年度の税制改正大綱が公表され、12月22日に閣議決定されました。この中で、令和6年分所得税について、定額減税制度が示されました。定額減税は、以前導入されていた定率減税と異なり、給与所得者であれば源泉徴収義務者である事業者が源泉所得税から控除する形式で行われる予定で、その源泉徴収も6月分のものから行うとされています。

国税庁では、このような状況から、令和6年1月30日に「定額減税特設サイト」を設け、源泉徴収義務者が早期に準備に着手できるよう、法案の国会提出前であっても、制度の詳細についてできる限り早急に公表するとともに、源泉徴収義務者向けのパンフレットの作成等広報活動を開始し、給付金担当を含む関係省庁や地方公共団体ともよく連携しながら、制度の趣旨・内容等について、丁寧な周知広報を行うこととされました。

また、令和6年2月5日には、国税庁ウェブサイトに「令和6年分所得税の定額減税Q&A」が公表されました。今回は、これらの中から重要な部分をピックアップして紹介していきます。

まず、定額減税の概要として、控除の対象者は令和6年分所得税の納税者である居住者で、令和6年分の所得税に係る合計所得金額が1,805万円以下である人でとなっています。したがって、定額減税の対象となる所得税は、「令和6年分所得税」であるが、個人住民税からの控除もあるため、令和6年度分の個人住民税も対象となります。

国税分としての定額減税額は、次の金額の合計額ですが、その合計額がその人の「令和6年分の所得税額」を超える場合には、控除される金額は、その所得税額が限度となります。

   本人(居住者に限ります。)30,000

② 同一生計配偶者又は扶養親族(いずれも居住者に限る。)1人につき 30,000

(注)「令和6年分の所得税額」とは、令和6年分所得税につき、所得税法の規定等により、所得控除税率及び税額控除を適用して算出した所得税の額で、復興特別所得税の額は含まれません。ただし、年末調整を除く給与等に係る源泉徴収税額からの控除に当たっては、所得税及び復興特別所得税が一体として納税されていることも踏まえ、その合計額から定額減税額を控除することになります。

この定額減税ですが、扶養控除等申告書を提出している給与所得者(いわゆる甲欄適用者)については、その主たる給与の支払者のもとで、毎月の給与等(賞与も含む)から生ずる源泉徴収税額から控除されるのがポイントとなります。具体的には、下記のとおり定額減税額の控除が行われます。

① 月次減税令和6年6月1日以後最初に支払を受ける給与等(賞与を含む)に係る源泉徴収税額からの控除(令和6年6月1日において主たる給与の支払を受ける人が対象)源泉徴収すべき所得税及び復興特別所得税の合計額(控除前税額)から月次減税額を控除します。

ブログ 2024年2月9日

国税庁ウェブサイトhttps://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/0024001-021.pdf参照

なお、控除しきれない部分の金額については、以後令和6年中に支払う給与等に係る控除前税額から順次控除します。

ブログ 2024年2月9日

国税庁ウェブサイトhttps://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/0024001-021.pdf参照

そして、年末調整の際には、年調減税として、年末調整時における年調所得税額から控除します。

具体的には、年末調整の対象者で、かつ、令和6年中に支払の確定した給与等を基に年末調整により計算した年調所得税額がある人は、その年調所得税額から年調減税額を控除します。なお、年調所得税額から年調減税額を控除した後の金額に 102.1%を乗じて、復興特別所得税を含めた年調年税額を計算します。

ブログ 2024年2月9日

国税庁ウェブサイトhttps://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/0024001-021.pdf参照

給与所得者以外の公的年金等の受給者や事業所得や不動産所得を有する者などは別のやり方で定額減税が実施されます。

このように、定額減税制度は令和6年分のみの措置であるが、特に給与所得者については、その作業が大変煩雑なため、早い段階から準備してことが肝要です。

ブログ 2024年1月26日

〈令和6年度税制改正大綱(事業承継税制)について〉


 令和5年12月14日に令和6年度の税制改正大綱が公表され、12月22日に閣議決定されました。

この中で、法人版事業承継税制について、特例承継計画の提出期限を令和6年3月末から2年延長し、令和8年3月末までとするとしている。法人版事業承継税制は、取引相場のない株式(非上場株式等)を次世代に承継する際に後継者が負担する贈与税や相続税を一定期間猶予する制度であり、納税猶予制度とも呼ばれています。元々、納税猶予制度自体は平成21年度税制改正において創設されましたが、要件が厳しく使い勝手が悪かったため、平成30年度税制改正において特例措置が設けられました。

この特例措置は一般措置と比較すると、対象となる株式数が全部(一般措置は総株式数の最大3分の2まで)であり、雇用確保要件の弾力化なども図られています。この特例措置は、平成30年1月1日から令和9年12月31日までの期間の贈与や相続等が対象であるため、現行制度上は、一般措置が1階に相当し、特例措置が2階に相当する2階建ての状態となっています。

両制度の概要を示すと下記のとおりです。

<贈与税の納税猶予及び免除>

ブログ 2024年1月26日

<相続税の納税猶予及び免除>

ブログ 2024年1月26日

国税庁ウェブサイトhttps://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/0023006-133_01.pdf」参照。

 今回、税制改正の対象となるのは、あくまで赤枠内の「特例承継計画」の提出・確認についてです。元々、特例承継計画の提出期限は、下記のとおり変遷してきています。

平成30年度税制改正・・・・令和5年3月31日まで

令和4年度税制改正・・・・・令和6年3月31日まで(1年延長)

令和6年度税制改正案・・・令和8年3月31日まで(2年延長)

 実際、経済産業省からの税制改正要望事項の中で示された申請件数はコロナ禍の影響等で微減していますが、平成30年度税制改正後、劇的に申請件数が増えていることが読み取れます。

ブログ 2024年1月26日

※経済産業省ウェブサイトhttps://www.meti.go.jp/main/zeisei/zeisei_fy2024/zeisei_k/pdf/zeiseikaisei.pdf参照

 しかし、この図において留意すべき事項として、2017年以前は実際の認定件数です。特例承継計画は特例措置を受けるための入口段階に過ぎず、実際に「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」経営承継円滑化法における認定の申請自体は2017年以前と大きくは変わらないと言われています。

 また、特例承継計画については、記載のとおり延長を繰り返していますが、贈与や相続等の対象期間は令和9年12月31日までと、平成30年度税制改正大綱の発表時から変わっていません。

 2023年の中小企業白書において、「近年事業承継した経営者の就任経緯」という図が下記のとおり紹介されています。

ブログ 2024年1月26日

これによると「親族内承継」と「従業員承継」がいずれも3分の1程度あることが読み取れます。特に「親族内承継」は、昔に比べると就任経緯としては減少しているもののそれでもまだ一番多い割合となっています。

 非上場株式という自社株式をどのように承継していくか、特例措置の適用期限が迫ってきている中で、先代経営者と後継候補者との話し合いは急務になっています。

ブログ 2024年1月12日

<令和6年度税制改正大綱(贈与税の住宅取得等資金非課税制度)

について

 令和5年12月14日に令和6年度の税制改正大綱が公表され、12月22日に閣議決定されました。

この中で、贈与税の住宅取得等資金非課税制度について、適用期限を3年延長する旨が定められています。この非課税制度は、世代を超えて資産移転を図る制度として、受贈者が居住用の不動産(マイホーム)を取得する際に、直系の父母や祖父母から一定の資金援助を受けた場合に非課税とする措置であり、令和4年度の税制改正において延長されていましたが、昨年末までの時限立法でした。

今回、要件に多少の変更があったものの、非課税制度そのものがさらに3年間延長される予定です。具体的には、令和6年1月1日から令和8年12月31日までの間に父母や祖父母など直系尊属からの贈与により、自己の居住の用に供する住宅用の家屋の新築、取得又は増改築等(以下「新築等」といいます。)の対価に充てるための金銭(以下「住宅取得等資金」を取得した場合において、一定の要件を満たすときは、下記表の非課税限度額までの金額について、贈与税が非課税となるものです。

ブログ 2024年1月12日
ブログ 2024年1月12日

※国税庁ウェブサイト

https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/0022005-028.pdf 参照

上記図解は、令和4年5月に国税庁から発表された「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」等のあらましの一部抜粋であるため、贈与の時期が「令和4年1月1日から令和5年12月31日まで」と記載されていますが、今回の令和6年度税制改正法案が成立すれば、「令和6年1月1日から令和8年12月31日まで」に延長されることとなります。

一方、今回の税制改正大綱において、非課税限度額の「省エネ等住宅」については、やや要件が厳格化されていることに留意する必要があります。12月22日閣議決定後の「令和6年度税制改正の大綱」において、具体的に下記赤枠内のとおり記載されています。

ブログ 2024年1月12日

※総務省ウェブサイト

https://www.soumu.go.jp/main_content/000919575.pdf 参照

この赤枠内の現行基準である「断熱等性能等級4以上又は一次エネルギー消費量等級4以上」は、特に新築分譲マンション等において当てはまるケースが多く、新築のマンション購入の際には、非課税限度額1,000万円が適用されることが一般的でした。この要件が「断熱等性能等級5以上かつ一次エネルギー消費量等級6以上」に厳格化される予定です。ただし経過措置として、上記税制改正の大綱の(注2)に記載のとおり、一定の要件を満たすものは、旧基準により判定されることとなります。

今回の大きな税制改正の変更点は、この「省エネ等住宅」の要件の厳格化です。それ以外の要件については大きな変更は生じない予定です。一方、贈与税については、令和6年1月1日以降、暦年課税制度における生前贈与加算が3年から7年に徐々に伸長され、相続時精算課税制度において新たに基礎控除額110万円が創設されるなど、大きな改正がなされました。今回紹介した住宅取得等資金非課税制度は、暦年課税制度においても相続時精算課税制度においても活用できる制度です。ぜひ今回の税制改正大綱と共に、令和4年5月に国税庁から発表されたあらましも参照して、有効に特例制度をご活用ください。