事務所概要

事務所名分銅会計事務所
所長名
代表税理士 分銅雅一
(登録番号第123843号)
所在地

〒160-0022
東京都新宿区新宿二丁目3番12号 グレイスビル7F

電話番号03-6380-1093
FAX番号03-6380-1094
業務内容

自社株式と不動産の承継に関連する

1.相続税・譲渡所得税の税務申告

2.相続・事業承継対策の立案及び実行支援

3.個人及び法人の税務顧問

4.セミナー及び研修の講師

適格請求書発行事業者登録番号

T2810600793215

ここに文章を入力してください

ブログ 2022年3月25日

e-Taxの接続障害への対応について>

 令和3年分の所得税および贈与税の確定申告期限が令和4315日(火)でありましたが、314日(月)から315日(火)にかけて、e-Taxの接続障害が断続的に発生し、e-Taxにログインができない、ログインができても送信ができないまたは送信に時間を要するなどの事態が生じました。

これについて、国税庁では、下記のとおり対応を取るとの発表がなされています。

(1)  申告期限の取扱い等

本障害により、期限内の申告等が困難となった場合には、個別に申告期限等(申告・納付・法定提出期限)を延長することとし、後日、申告書等を提出する場合の具体的な手続方法(申告書等に「e-Taxの障害による申告・納付期限延長申請」である旨記載するなど)が示されました(下記リンク先参照)。

※国税庁ウェブサイトhttps://www.nta.go.jp/data/kobetsushinsei.pdf

今般、e-Taxの処理状況が改善したことを踏まえ、令和4318日(金)までに申告期限等を迎える申告等について、上記の手続方法により期限延長を行う期間を令和4415日(金)までとするとされました。


(2)  令和3年分所得税の青色申告特別控除の取扱い

現在、青色申告特別控除の65万円控除を受ける場合には、55万円の青色申告特別控除の要件を満たした上で、e-Taxによる申告または電子帳簿保存法の承認を受けて電磁的記録による保存を行う必要があります。

今回のe-Taxの接続障害により、e-Taxによる申告書の提出ができなかった方について、65万円の青色申告特別控除を受ける場合の手続については、下記のいずれかにより令和4415日(金)までに延長申請すれば、適用を受けられることになります。

    315日(火)までに申告書を提出できなかった納税者

申告書に、「e-Taxの障害による申告・納付期限の延長申請」である旨を記載して、e-Taxにより提出することで、期限内に提出された確定申告書として扱われます。

    315日(火)までに申告書を書面で提出した納税者

①と同様に、申告書に、「e-Taxの障害による申告・納付期限の延長申請」である旨を記載して、e-Taxにより提出します。この場合、後から提出された申告書を期限内に提出された確定申告書として扱われます。


(3)  預貯金口座からの振替日

今回のe-Taxの接続障害により、令和4415日(金)までに個別に申告期限等を延長した場合の申告所得税の預貯金口座からの振替日は、令和4531日(火)となります。

ただし、消費税(個人事業主)については、期限延長の対象とはならないため留意が必要です。また、贈与税についても口座振替自体が存在しないので、納付書等により納税をする必要がありますので、併せて留意する必要があります。

ブログ 2022年3月11日

<特定生産緑地制度について>

 生産緑地とは市街化区域内の指定された農地をいい、生産緑地制度は、良好な生活環境の確保に効用があり、公共施設等の敷地として適している500㎡以上の農地を都市計画に定め、建築行為等を許可制により規制し、都市農地の計画的な保全を図る制度です。

現在、三大都市圏の市街化区域内農地の約5割を生産緑地が占めていて、2022年には、生産緑地地区のうち、面積ベースで概ね8割にあたる生産緑地が、指定から30年が経過します。これは、下記の図を見れば明らかです。
※国税庁ウェブサイト「https://www.mlit.go.jp/common/001282537.pdf」3頁参照
生産緑地の指定解除がされると、どのようになるのでしょうか。実は、税制と大きな関係があります。具体的には、生産緑地の指定解除がされると、固定資産税の課税が「農地課税」から「宅地並み課税」となり、5年間の激変緩和措置があるとはいえ、固定資産税の課税が比べ物にならないぐらい上がってしまうというリスクが生じます。
※国税庁ウェブサイト「https://www.mlit.go.jp/common/001282537.pdf」7頁参照

このように、生産緑地は固定資産税の課税に大きな影響があると共に、都市計画決定から30年が経過する日以後、所有者が、市町村長に対し、いつでも買取りの申出をすることができるようになることから、都市計画上も不安定な状態に置かれることになります。

このため、平成29年に生産緑地法を改正し、申出基準日が近く到来することになる生産緑地について、市町村長が、農地等利害関係人の同意を得て、申出基準日より前に特定生産緑地として指定し、買取りの申出が可能となる期日を10年延期する制度を創設し、平成3041日より施行しているところです。

これにより、申出基準日以後も、引き続き生産緑地が保全され、良好な都市環境の形成が図られることが期待されます。全国的に多くの都市が人口減少局面に移行し、宅地需要が沈静化しつつある中、農地の転用により住宅供給等を推進する必要性は低下しています。また、生産緑地は身近な農業体験の場や災害時の防災空間などとして多様な機能を発揮するグリーンインフラとして、都市における重要な土地利用です。

これらを踏まえ、特定生産緑地制度を積極的に活用し、申出基準日以後も引き続き、生産緑地の保全を図っていくことが、今後の持続可能な都市経営や都市住民の豊かで潤いのある生活環境の保全・創出につながるといえます。

また、上記図のとおり、特定生産緑地として指定を受けると、固定資産税の課税も引き続き「農地課税」となるため、維持管理費が今までと同水準を維持することが可能となります。

実際、多くの生産緑地所有者が、この特定生産緑地の指定を受けて、引き続き農地として利用を検討しているといいます。

※国税庁ウェブサイト「https://www.mlit.go.jp/common/001282537.pdf」6頁参照

一方で、この特定生産緑地の指定を受けることなく、宅地に転用して、アパート等の収益不動産を建築することや、土地そのものを売却するケースも想定されます。この場合に注意しなければならないのが、過去に相続税の納税猶予制度を受けているかどうかについてです。当該土地が相続税の納税猶予制度の適用を受けている場合には、「終身営農」が要件となっているため、宅地に転用した途端に、猶予も終了となり、納税猶予の対象となっていた相続税の本税と利子税を一時に納付する必要が発生してしまいます。

相続税の納税猶予制度を先代以前の時期に適用していた場合でも、原則として「終身営農」が求められることから、もしも指定解除を検討している場合には、過去の相続税の納付状況を確認することや、全部事項証明書に担保として差し出されていないかどうかを確認して、慎重に見極める必要があります。

ブログ 2022年3月4日

<事業復活支援金について>

 2022118日に、「事業復活支援金」のサイトが立ち上がりました。これは、新型コロナウイルス感染症拡大が確認された2020年に、その支援策として打ち出された「持続化給付金」と類似するものですが、不正受給などが相次いだため、要件を厳格化したうえで、改めて支援策として打ち出されたものです。

その具体的な要件は、下記のとおりです。

・申請期間

2022131日~531

・給付対象

下記の①と②を満たす「中小法人・個人事業者」が、給付対象となり得ます。

新型コロナウイルス感染症の影響を受けた事業者

202111月~20223月のいずれかの月(対象月)の売上高が、

201811月~20213月の間の任意の同じ月(基準月)の売上高と比較して

50%以上または30%以上50%未満減少した事業者

・給付額

  基準期間(※1)の売上高-対象月の売上高×5か月分

   ※1 201811月~20193

     201911月~20203月  のいずれかの期間(基準月を含む期間)

     202011月~20213

この要件の中で、給付対象の「新型コロナウイルス感染症の影響を受けた事業者」についての判断が難しいということもあり、具体的に下記のような事例があがっています。

逆に、新型コロナウイルス感染症の影響とは関係ない下記の場合は、給付対象とはならないと明記されています。

・実際に売上が減少したわけではないにも関わらず、通常事業収入を得られない時期(事業活動に季節性があるケース(例:夏場の海水浴場)における繁忙期や農産物の出荷時期以外など)を対象月とすることにより、算定上の売上が減少している場合

・売上計上基準の変更や顧客との取引時期の調整により売上が減少している場合

・要請等に基づかない自主的な休業や営業時間の短縮、商材の変更、法人成りまたは事業承継の直後などで単に営業日数が少ないこと等により売上が減少している場合

 

 これらの要件は、2020年の「持続化給付金」申請の際の要件には無かったもので、その判断に悩むケースも想定されます。

 この点については、今回の申請の流れで大きな特徴の一つである「登録確認機関」が重要な役割を果たすと考えられます。

 今回の「事業復活支援金」については、その申請に際して、必ず「登録確認機関」の事前確認を要することとなっています。「持続化給付金」の際に不正受給が横行したため、客観的な第三者による事前確認を求めるという要件を追加しているということです。

「登録確認機関」については、下記リンク先から検索することも可能です。

「事業復活支援金」については、以上確認してきたように、申請期間が極めて短いため、該当する中小法人や個人事業者等については、早めに準備を進めることが肝要です。