事務所概要

事務所名分銅会計事務所
所長名
代表税理士 分銅雅一
(登録番号第123843号)
所在地

〒160-0022
東京都新宿区新宿二丁目3番12号 グレイスビル7F

電話番号03-6380-1093
FAX番号03-6380-1094
業務内容

自社株式と不動産の承継に関連する

1.相続税・譲渡所得税の税務申告

2.相続・事業承継対策の立案及び実行支援

3.個人及び法人の税務顧問

4.セミナー及び研修の講師

適格請求書発行事業者登録番号

T2810600793215

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ブログ 2022年8月12日

<「電子帳簿等保存制度の特設サイト」について>

令和4725日、国税庁のウェブサイトに、「電子帳簿等保存制度の特設サイト」が公表されました。電子帳簿保存法は、正式には、「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律」といい、平成10年に創設されたものです。この電子帳簿保存法が、経済社会のデジタル化を踏まえ、経理の電子化による生産性の向上、記帳水準の向上等に資するため、令和3年度の税制改正において、所要の改正等が行われ、帳簿書類を電子的に保存する際の手続等について、抜本的な見直しがなされました。

特に、電子データの電子保存については、令和411日から施行されているが、令和51231日までに行う電子取引については、保存すべき電子データをプリントアウトして保存し、税務調査等の際に提示・提出できるようにしていれば電子保存をする必要はないといった、いわゆる経過措置も設けられました。ただ、令和61月からは保存要件に従った電子データの保存が必要となるので、そのために必要な準備を講じておくことが重要となります。

本特設サイトはこの電子帳簿等保存制度について、その概要から準備に至るまで大変分かりやすく掲載されています。今回は、この特設サイトについて紹介をします。

 

「電子帳簿等保存制度の特設サイト」には、「制度別に調べる」「項目別に調べる」「製品・問い合わせ先を調べる」から成っていて、「制度別に調べる」がさらに「電子取引」「電子帳簿・電子書類」「スキャナ保存」の3つに分かれています。

そして、「電子取引」「電子帳簿・電子書類」「スキャナ保存」の3つについては、さらに「紹介動画・パンフレット」「法令・法令の解釈」「よくある質問」「届出書の様式」に分かれていますが、このうち、紹介動画とパンフレットが導入編としてイメージしやすい内容となっています。特に、紹介動画は12分強の内容で要点がまとまっています。

https://www.nta.go.jp/publication/webtaxtv/202111_a/webtaxtv_wb.html

 

また、制度の概要パンフレットについては、「帳簿書類の電子化」「書類のスキャナ保存」「電子取引のデータ保存方法」について掲載されています。特に、実務で影響が大きいと思われる「電子取引のデータ保存方法」については、次のとおり紹介されています。

※国税庁ウェブサイト

https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/pdf/0021005-038.pdf


 

(1) 保存対象となる電子データ

 令和411日以降(2年猶予され令和611日以降、完全適用)に、請求書・領収書・契約書・見積書などに関する電子データを送付・受領した場合には、その電子データを一定の要件を満たした形で保存することが必要となります。言い換えると、従来、紙でやりとりしていた場合に必要とされていた証憑書類を電子データでやりとりした場合に電子保存が必要となります。そして、この取り扱いは、紙での保存が認められずに電子による保存へと一本化される点に留意する必要があります。つまり、電子データでやりとりしたものを紙で出力して紙で保存したとしても、保存要件を満たさないということです。

 

(2) 保存方法

それでは、具体的にどのように電子保存していけばよいのでしょうか。

これについては、まず改ざん防止のための措置をとる必要がありますが、「タイムスタンプ付与」や「履歴が残るシステムの導入」といった方法以外にも「改ざん防止のための事務処理規程を定める」様な形式でも構いません。

一方、「電子保存」する際に、「日付・金額・取引先」で検索できるようにする必要があり、具体的な専用システムを導入する必要はないものの、索引簿を作成する方法や、規則的なファイル名を設定する方法での対応をとる必要があります。

具体的には次のような保存の仕方です。

  国税庁ウェブサイト

https://www.nta.go.jp/publication/pamph/sonota/0021011-068.pdf


(3) まとめ

今回の電子帳簿保存法の改正は、DX化の流れを受けて、紙媒体から電子媒体へと移行が進んでいく大きな契機となっていると考えられます。消費税のインボイス制度も適用間近となる中で、本特設サイトを活用して、改正電子帳簿等保存法の準備を進めて頂ければ幸甚です。