事務所概要

事務所名分銅会計事務所
所長名
代表税理士 分銅雅一
(登録番号第123843号)
所在地

〒160-0022
東京都新宿区新宿二丁目3番12号 グレイスビル7F

電話番号03-6380-1093
FAX番号03-6380-1094
業務内容

自社株式と不動産の承継に関連する

1.相続税・譲渡所得税の税務申告

2.相続・事業承継対策の立案及び実行支援

3.個人及び法人の税務顧問

4.セミナー及び研修の講師

適格請求書発行事業者登録番号

T2810600793215

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ブログ 2022年11月25日

<令和5年度税制改正大綱策定について>

 令和51118日、自民党税制調査会は総会を開き、令和5年度税制改正大綱策定に向けた検討を開始しました。

 例年、税制改正大綱は12月第2週あたりに発表され、約20日間にわたり議論されます。税制調査会での検討に先立ち、財務省が各府省庁から要望を集め、その要望についても検討されます。831日時点の単純集計した令和5年度税制改正要望の状況は下記のとおりです。

各府省庁から具体的な要望事項の概要については、下記ウェブサイトのリンク先をご参照ください。

   https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2023/request/05y_all.pdf

 この中から、「新設」「拡充」項目で、特にトピックとなる内容について詳述していきます。

 

1)金融庁

 ①NISAの抜本的拡充等

  NISAについては、現在、一般のNISAとつみたてNISAの2種類があります。つみたてNISAは投資可能期間が平成30年から令和24年までの予定でありますが、現行の一般のNISA制度は令和5年までとなり、令和6年からは非課税対象や非課税投資枠が見直され、2階建ての新しいNISAになることが予定されています。ただ、新しいNISA制度においても投資可能期間は令和6年から令和10年までの5年間と有限であり、このNISA制度そのものを恒久化しようという議論がされています。

 ②その他

  例年、金融庁は「生命保険料控除制度の拡充」「死亡保険金の相続税非課税限度額引上げ」「上場株式等の相続税に係る見直し」を要望として掲げているが、いずれも実現していません。

2)文部科学省

 ①教育資金一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置の拡充

  贈与税については相続税の補完税と言われているが、昨今の過度な相続税対策をふまえ、「資産移転の時期に中立な税制とするには延長が妥当だ」との考えから、いわゆる生前贈与加算(相続発生前の3年間の相続人への贈与は相続財産として相続税に加算して課税する制度)を現行の3年間から5年~10年に延長する議論が10月に政府税制調査会の専門家会合でされています。

  一方で、次世代への早期の資産移転を促すために、教育資金一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置については、現行制度上の非課税枠は1,500万円であるところ、2000万円に引き上げるとともに、1500 万円を超える分の贈与額については、その5%以上の額を学校法人・公益法人等に別途寄附したことを条件に利用可能とするといった要望を出しています。

3)国土交通省

 ①空き家の発生を抑制するための特例措置の拡充及び延長

「空き家の発生を抑制するための特例措置(「空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除)」については、平成2841日から適用が開始され、相続により生じた空き家について一般的な制度として確立されつつあります。一方で、本特例制度は、対象物件の引渡しまでに家屋の耐震改修工事を完了するか、除却工事を行い更地として譲渡することが要件となっています。特例の適用期限は令和51231日までの譲渡でありますが、その適用期限を4年間延長(令和91231日まで)するとともに、空き家の譲渡後に、買主がその家屋の耐震改修工事又は除却工事を行う場合も適用対象とすることを求めています。

 上記の他にも様々な議論がされています。例えば、令和5101日から開始される予定の消費税のインボイス制度です。今まで消費税の納税が免除されていた課税売上高1,000万円以下の中小事業者が課税事業者になることが余儀なくされ、中小事業者の税負担が重くなるといった危惧がなされています。この点について、激変緩和措置としてこれらの中小事業者の税額を当初3年間は消費税額の20%とするような案が浮上しています(執筆時点)。引き続き、税制改正大綱の正式発表まで報道機関の発表をご注視ください。