事務所名 | 分銅会計事務所 |
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所長名 | 代表税理士 分銅雅一 (登録番号第123843号) |
所在地 | 〒160-0022 |
電話番号 | 03-6380-1093 |
FAX番号 | 03-6380-1094 |
業務内容 | 自社株式と不動産の承継に関連する 1.相続税・譲渡所得税の税務申告 2.相続・事業承継対策の立案及び実行支援 3.個人及び法人の税務顧問 4.セミナー及び研修の講師 |
適格請求書発行事業者登録番号 |
<令和6年度税制改正大綱(贈与税の住宅取得等資金非課税制度)
について
令和5年12月14日に令和6年度の税制改正大綱が公表され、12月22日に閣議決定されました。
この中で、贈与税の住宅取得等資金非課税制度について、適用期限を3年延長する旨が定められています。この非課税制度は、世代を超えて資産移転を図る制度として、受贈者が居住用の不動産(マイホーム)を取得する際に、直系の父母や祖父母から一定の資金援助を受けた場合に非課税とする措置であり、令和4年度の税制改正において延長されていましたが、昨年末までの時限立法でした。
今回、要件に多少の変更があったものの、非課税制度そのものがさらに3年間延長される予定です。具体的には、令和6年1月1日から令和8年12月31日までの間に父母や祖父母など直系尊属からの贈与により、自己の居住の用に供する住宅用の家屋の新築、取得又は増改築等(以下「新築等」といいます。)の対価に充てるための金銭(以下「住宅取得等資金」を取得した場合において、一定の要件を満たすときは、下記表の非課税限度額までの金額について、 贈与税が非課税となるものです。
※国税庁ウェブサイト
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/0022005-028.pdf 参照
上記図解は、令和4年5月に国税庁から発表された「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」等のあらましの一部抜粋であるため、贈与の時期が「令和4年1月1日から令和5年12月31日まで」と記載されていますが、今回の令和6年度税制改正法案が成立すれば、「令和6年1月1日から令和8年12月31日まで」に延長されることとなります。
一方、今回の税制改正大綱において、非課税限度額の「省エネ等住宅」については、やや要件が厳格化されていることに留意する必要があります。12月22日閣議決定後の「令和6年度税制改正の大綱」において、具体的に下記赤枠内のとおり記載されています。
※総務省ウェブサイト
https://www.soumu.go.jp/main_content/000919575.pdf 参照
この赤枠内の現行基準である「断熱等性能等級4以上又は一次エネルギー消費量等級4以上」は、特に新築分譲マンション等において当てはまるケースが多く、新築のマンション購入の際には、非課税限度額1,000万円が適用されることが一般的でした。この要件が「断熱等性能等級5以上かつ一次エネルギー消費量等級6以上」に厳格化される予定です。ただし経過措置として、上記税制改正の大綱の(注2)に記載のとおり、一定の要件を満たすものは、旧基準により判定されることとなります。
今回の大きな税制改正の変更点は、この「省エネ等住宅」の要件の厳格化です。それ以外の要件については大きな変更は生じない予定です。一方、贈与税については、令和6年1月1日以降、暦年課税制度における生前贈与加算が3年から7年に徐々に伸長され、相続時精算課税制度において新たに基礎控除額110万円が創設されるなど、大きな改正がなされました。今回紹介した住宅取得等資金非課税制度は、暦年課税制度においても相続時精算課税制度においても活用できる制度です。ぜひ今回の税制改正大綱と共に、令和4年5月に国税庁から発表されたあらましも参照して、有効に特例制度をご活用ください。