事務所概要

事務所名分銅会計事務所
所長名
代表税理士 分銅雅一
(登録番号第123843号)
所在地

〒160-0022
東京都新宿区新宿二丁目3番12号 グレイスビル7F

電話番号03-6380-1093
FAX番号03-6380-1094
業務内容

自社株式と不動産の承継に関連する

1.相続税・譲渡所得税の税務申告

2.相続・事業承継対策の立案及び実行支援

3.個人及び法人の税務顧問

4.セミナー及び研修の講師

適格請求書発行事業者登録番号

T2810600793215

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ブログ 2024年3月22日

<相続登記の義務化と相続税の課税について>

 

 令和6年4月1日から、相続登記の申請が義務化されます。これは、従来、相続登記がされないために、登記簿謄本を見ても所有者が誰だか分からない「所有者不明土地」が全国で増加し、周辺の環境悪化や公共工事の阻害原因になるなどの社会問題に対処するためというのが背景としてあります。

その具体的内容は下記のとおりです。

・相続や遺言によって不動産を取得した相続人は、その所有権の取得を知った日から3年以内に相続登記の申請をしなければなりません。

・遺産分割が成立した場合には、これによって不動産を取得した相続人は、遺産分割が成立した日から3年以内に、相続登記をしなければなりません。

※上記いずれについても、正当な理由なく義務に違反した場合は10万円以下の過料(行政上のペナルティ)の適用対象となります。

なお、令和6年4月1日より以前に相続が開始している場合も3年の猶予期間があるが、義務化の対象となります。

一方で、早期の遺産分割が難しい場合には、新たに「相続人申告登記」という簡便な手続きも新たに設けられました。

この制度は、所有権の登記名義人について相続が開始した旨と、自らがその相続人である旨を申請義務の履行期間内(3年以内)に登記官に対して申し出ることで、申請義務を履行したものとみなす(登記簿に氏名・住所が記録された相続人の申請義務のみ履行したことになる)というものです。そして、申出を受けた登記官は、所要の審査をした上で、申出をした相続人の氏名・住所等を職権で登記に付記されます。その登記簿を見ることで相続人の氏名・住所を容易に把握することが可能になるというものであります。

この「相続人申告登記」は、相続人が複数存在する場合でも特定の相続人が単独で申出が可能(他の相続人の分も含めた代理申出も可能)であり、また、法定相続人の範囲及び法定相続分の割合の確定が不要であるというのも特徴です。

では、今回の相続登記の義務化によって、相続税が新たに課税されることになりますでしょうか。

そもそも、相続税については、時効が5年(相続税の法定申告期限から5年)であり、時効が成立している場合に、新たに相続税が課税されることはありません。もっとも、相続が発生した当時において、相続税の課税価格の合計額が相続税の基礎控除以下であれば、相続税自体が課されることはありません。

ここまで確認したように、相続登記の義務化によって、新たに相続税が課されるということではないため、相続登記が未了の場合には、速やかに相続登記の申請を行っていくことが肝要です。