事務所名 | 分銅会計事務所 |
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所長名 | 代表税理士 分銅雅一 (登録番号第123843号) |
所在地 | 〒160-0022 |
電話番号 | 03-6380-1093 |
FAX番号 | 03-6380-1094 |
業務内容 | 自社株式と不動産の承継に関連する 1.相続税・譲渡所得税の税務申告 2.相続・事業承継対策の立案及び実行支援 3.個人及び法人の税務顧問 4.セミナー及び研修の講師 |
適格請求書発行事業者登録番号 |
<令和4年度租税滞納状況の概要について>
令和5年8月30日に、国税庁のウェブサイトに「令和4年度租税滞納状況の概要」が掲載されました。
こちらに掲載されている概要は、「租税滞納の状況」と「滞納の未然防止及び整理促進に関する取組」から構成されていて、本稿では、主に「租税滞納の状況」について論じます。
まず、令和4年度における新規発生滞納額ですが、7,196億円となっており、令和3年度と比較すると、331億円(▲4.4%)減少しました。
なお、新規発生滞納額は、ピーク時の平成4年度(新規発生滞納額は、1兆8,903億円)の約4割となっています。
これを図示したものが次のとおりです。
※国税庁ウェブサイト
https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2023/sozei_taino/pdf/sozei_taino.pdf 参照
例年、新規発生滞納額で最も大きい税目が消費税です。消費税は消費者(または事業者)から預かった税金を納付する間接税の形態をとっているため、資金繰りに窮する場面において、預かっている消費税相当額を引き出して運転資金に充当されてしまいやすい税目です。同じようなものとして、源泉所得税がありますが、源泉所得税は一般的に預かった翌月10日には納税するものなので、消費税と比較すると長期に預かる性質の税金ではありません。
次に新規の滞納発生割合(徴収決定済額〔申告などにより課税されたものの額〕に占める新規発生滞納額の割合)ですが、直近10年とも1.0%台と低水準で推移しています。
これを図示したものが次のとおりです。
※国税庁ウェブサイト
https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2023/sozei_taino/pdf/sozei_taino.pdf 参照
令和3年度と令和4年度の新規発生滞納額が他の年に比較するとやや増加していますが、アフターコロナで売上や利益が回復したものの、借入金の返済猶予などの期限が到来したり、徴収猶予されていた税金についての支払いなども発生し、新規の滞納発生額が増えているものと思われます。
最後に、「滞納の未然防止に関する取組」の一部も触れておきます。
令和5年5月、国税庁ホームページに「納税に関する総合案内」が開設されました。この「納税に関する総合案内」では、納税手続に関する情報を知りたい方、計画的な納税(資金の積立て)を検討されている方、国税を納期限までに納付することが困難な方など、閲覧する方のニーズに沿って、簡単に情報が取得できるよう、納税に関する情報を案内しているとのことです。
また、SNSを活用して納期限や振替期日などの事前周知を実施しているほか、地方公共団体、税理士会、関係民間団体、業界団体等の協力を得て、各種広報媒体や説明会などの機会を活用し、期限内納付のための周知を実施しているとのことです。
さらに、「多様な納付手段の提供」として、下記の図に掲げるようなものも紹介されています。
※国税庁ウェブサイト
https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2023/sozei_taino/pdf/sozei_taino.pdf 参照
租税滞納自体は起こらないようにしていくべきものではありますが、その予防策として、これらのキャッシュレス納付などは、ぜひ積極的に活用ください。