事務所名 | 分銅会計事務所 |
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所長名 | 代表税理士 分銅雅一 (登録番号第123843号) |
所在地 | 〒160-0022 |
電話番号 | 03-6380-1093 |
FAX番号 | 03-6380-1094 |
業務内容 | 自社株式と不動産の承継に関連する 1.相続税・譲渡所得税の税務申告 2.相続・事業承継対策の立案及び実行支援 3.個人及び法人の税務顧問 4.セミナー及び研修の講師 |
適格請求書発行事業者登録番号 |
<輸出物品販売場制度のリファンド方式への見直し
令和7年4月1日、国税庁ウェブサイトに「輸出物品販売場制度のリファンド方式への見直し」が公表されました。
令和7年度税制改正により、令和8年11月1日から輸出物品販売場制度(リファンド方式)が実施される予定です。リファンド方式は、実務上、消費税相当額を含めた価格で販売し、出国時に持出しが確認された場合に輸出物品販売場を経営する事業者から免税購入対象者に対し消費税相当額を返金するという制度です。具体的な流れは下記のとおりです。
※国税庁ウェブサイト「https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shohi/menzei/201805/pdf/0025003-110_01.pdf」参照。
リファンド方式が導入された背景は、昨年のインバウンド消費が8.1兆円を超え、免税店で買い物を楽しむ外国人旅行者が増える一方、購入した物品を横流しする等不正利用が後を絶たないことが挙げられます。現在の免税制度は外国人旅行者が国内の免税店で買い物をした際に、消費税額を除いた金額を支払い、出国時に物品が持ち出されているかを確認、持ち出しが確認されない場合には追加で消費税分を賦課する形式を採用していますが、出国時に免税で購入した物品を持ち出さない不正が後を絶たない現状があると言われています。
一方で、欧州等で広く採用している「リファンド方式」による免税制度を導入することで、外国人旅行者は国内で免税品を購入する際には、一旦、消費税分を含めた金額で購入し、出国時に持ち出しが確認できた物品については、国税庁の「免税販売管理システム」を通じて、税関と免税店が免税商品の購入情報について共有し、事後に消費税額を購入者に還付する流れとすることで、事業者が消費税を先に預かることで消費税の徴収漏れを防止できることとなります。
このリファンド方式への移行に伴い、下記の3点についても改正が行われる予定です。
1.免税対象物品の範囲等の見直し
・一般物品と消耗品の区分や消耗品に係る購入上限額(50万円)、特殊包装の廃止
・通常生活の用に供するかどうかの要件の廃止など
2.免税販売手続等の見直し
・船舶観光上陸許可等により在留する者や日本国籍を有する免税購入対象者の手続の見直し
・単価100万円(税抜価額)以上の商品に購入記録情報として「商品情報詳細」を設定など
3.免税店の区分や許可要件等の見直し
・免税店の区分や許可要件が見直され、併せて申請届出手続を簡素化など
これらの詳細についても国税庁ウェブサイトにリーフレットが掲載されているため、ご参照ください(https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shohi/menzei/201805/pdf/0025003-110_01.pdf)。
国税庁ウェブサイトでは、リファンド方式の特設サイトに、上記リーフレット以外にも、輸出物品販売場制度に関するQ&Aとして、「輸出物品販売場制度に関するQ&A(リファンド方式・概要編)(令和7年4月)」が掲載されています。
リファンド方式は、令和8年11月1日から開始される予定であり、インボイス制度のようにすべての事業者に影響があるものではりませんが、従来免税店として登録していた事業者は早い時期から情報を収集しておくことが肝要です。