事務所概要

事務所名分銅会計事務所
所長名
代表税理士 分銅雅一
(登録番号第123843号)
所在地

〒160-0022
東京都新宿区新宿二丁目3番12号 グレイスビル7F

電話番号03-6380-1093
FAX番号03-6380-1094
業務内容

自社株式と不動産の承継に関連する

1.相続税・譲渡所得税の税務申告

2.相続・事業承継対策の立案及び実行支援

3.個人及び法人の税務顧問

4.セミナー及び研修の講師

適格請求書発行事業者登録番号

T2810600793215

ブログ 2025年7月11日

<類似業種比準価額計算上の業種目分類について>


 令和7年6月16日に国税庁より、「類似業種比準価額計算上の業種目分類について」が公表されました。

これは、資産評価企画官情報第1号、資産課税課情報第6号として、国税庁課税部試算評価企画官資産課税課より令和769日に発出されたもので、「日本標準産業分類の分類項目と類似業種比準価額計算上の業種目との対比表(令和7年分)」が約12年ぶりに見直され、別表として公表されました。

そもそも、類似業種株価等通達の業種目及び標本会社の業種目は、日本標準産業分類に基づいて区分しています。今般、「日本標準産業分類」の第 14 回改定等に伴い、類似業種株価等通達の業種目の見直しを行ったとのことです。これにより、評価会社(評価しようとする取引相場のない株式の発行会社を言います。)の類似業種(評価会社と事業内容が類似する業種目に属する複数の上場会社を言います。)の業種目については、上述した別表に基づき判定することとなります。

本稿では、類似業種株価等通達の業種目分類等について紹介していきます。

1.類似業種株価等通達の業種目及び標本会社の業種目の分類

類似業種比準方式は、類似業種の株式の株価の平均値に、評価会社と類似業種の1株当

 たりの配当金額、1株当たりの利益金額、1株当たりの純資産価額(帳簿価額によって計

算した金額を言います。)の比準割合を乗じて、取引相場のない株式の価額を評価する方式です。

この業種目は、「日本標準産業分類」に基づいて区分しています。また、類似業種の株価等の計算の基となる標本会社の業種目についても、「日本標準産業分類」に基づいて区分しています。

なお、「日本標準産業分類」は、統計を産業別に表示する場合の統計基準として、事業所において社会的な分業として行われる財及びサービスの生産又は提供に係る全ての経済活動を分類するものであり、行政機関が作成する公的統計の正確性と客観性を保持し、統計の相互比較性と利用の向上を図ることを目的として、総務大臣が公示しているものです。

2.「日本標準産業分類」の改定等に伴う業種目の見直し

前回改定(平成 25 年)から 10 年が経過し、その間の経済・社会の状況に変化が生じたことを踏まえ、「日本標準産業分類」の第 14 回改定が行われました(令和6年4月施行)。これに伴い、令和7年分の類似業種株価等通達について、業種目の見直しが行われました。

また、標本会社の業種目の判定を行った結果、標本会社が少数となる業種目については、

特定の標本会社の個性が業種目の株価等に強く反映されることとなることから、このような影響を排除するため、業種目の統合を行うとともに、標本会社が多数となる業種目については、業種目の新設が行われました。

3.令和7年分の類似業種比準価額計算上の業種目分類

上記2の結果、令和7年分の類似業種比準価額計算上の業種目は、別表「日本標準産業

分類の分類項目と類似業種比準価額計算上の業種目との対比表(令和7年分)」のとおりとなり、評価会社の類似業種の業種目については、別表に基づき判定することとなります。

4.評価会社の規模区分を判定する場合の業種の分類

取引相場のない株式は、会社の規模に応じて区分し、原則として、大会社の株式は類似業種比準方式により、小会社の株式は純資産価額方式により、中会社の株式はこれらの併用方式により、それぞれ評価することとしています。

この場合における会社の規模の判定要素(「従業員数」、「総資産価額(帳簿価額によって計算した金額)」及び「直前期末以前1年間における取引金額」)の数値基準については、「卸売業」、「小売・サービス業」及び「卸売業、小売・サービス業以外」の三つの業種ごとに定めています。

なお、評価会社がどの業種に該当するかについては、下記の別表のとおりとなります。

※国税庁ウェブサイト

https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/hyoka/250600/pdf/02.pdf」参照

 以上、ここまで確認してきたように、令和7年分は業種目番号も大幅に変更となっているため、取引相場のない株式の評価を算出する際には、細心の注意を要します。