事務所名 | 分銅会計事務所 |
---|---|
所長名 | 代表税理士 分銅雅一 (登録番号第123843号) |
所在地 | 〒160-0022 |
電話番号 | 03-6380-1093 |
FAX番号 | 03-6380-1094 |
業務内容 | 自社株式と不動産の承継に関連する 1.相続税・譲渡所得税の税務申告 2.相続・事業承継対策の立案及び実行支援 3.個人及び法人の税務顧問 4.セミナー及び研修の講師 |
適格請求書発行事業者登録番号 |
<令和3年分の国外財産調書の提出状況について
令和5年1月31日、国税庁ウェブサイトに「令和3年分の国外財産調書の提出状況について」が掲載されました。
国外財産調書制度は、近年、国外財産の保有が増加傾向にある中で、国外財産に係る課税の適正化が喫緊の課題となっていることなどを背景として、国外財産を保有する方からその保有する国外財産について申告していただく仕組みであり、平成24年度の税制改正により導入され、平成26年1月から施行されています。
具体的には、その年の12月31日において、その価額の合計額が5,000万円を超える国外財産を保有する居住者の方(非永住者の方を除く。)は、その年の翌年の3月15日までに、当該国外財産の種類、数量及び価額その他必要な事項を記載した「国外財産調書」を、所轄税務署長に提出しなければならないこととされています。
国外財産調書制度は、財産債務調書制度と異なり、国外財産調書を提出しなかった場合の罰則規定(1年以下の懲役又は 50 万円以下の罰金)が設けられている点が特徴です。
ここでは、令和5年1月31日に公開された令和3年分の国外財産調書の提出状況について解説していきます。
まず、令和3年分の国外財産調書の総提出件数は、12,109件であり、東京局(7,755件)、大阪局(1,737件)、名古屋局(858件)で、全体の約85.5%を占めています。
国外財産調書に記載された総財産額は、5兆6,364億円であり、東京局のみで約760%(4兆2,829億円)に達しています。
財産の種類別総額は下記のとおりであるが、有価証券が突出していることが読み取れます。
※国税庁ウェブサイト「https://www.nta.go.jp/information/release/pdf/0022012-042.pdf」参照。
有価証券が多い理由は、外資系の証券会社を通じて外国銘柄の有価證券を所有している割合が多いことを示しています。
国外財産調書制度においては、適正な提出を確保するための特例措置が設けられており、令和3事務年度における所得税及び相続税の実地調査の結果、特例措置を適用した件数及び対象となった増差所得等金額は次のとおりです。
※国税庁ウェブサイト「https://www.nta.go.jp/information/release/pdf/0022012-042.pdf」参照。
国外財産調書の記載漏れや提出がないことにより、加重措置を受けている納税者が多いことが読み取れます。
令和4年分の所得税の確定申告期限が令和5年3月15日となっているため、国外財産調書を提出する必要がある納税者は、併せて準備されることをお勧めします。