事務所名 | 分銅会計事務所 |
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所長名 | 代表税理士 分銅雅一 (登録番号第123843号) |
所在地 | 〒160-0022 |
電話番号 | 03-6380-1093 |
FAX番号 | 03-6380-1094 |
業務内容 | 自社株式と不動産の承継に関連する 1.相続税・譲渡所得税の税務申告 2.相続・事業承継対策の立案及び実行支援 3.個人及び法人の税務顧問 4.セミナー及び研修の講師 |
適格請求書発行事業者登録番号 |
<令和4年分の所得税等の確定申告状況等について>
令和5年5月31日、国税庁ウェブサイトに「令和4年分所得税等、消費税及び贈与税の確定申告状況等について」が掲載されました。
これは、令和4年中の暦年課税の対象となる個人の確定申告のうち、所得税等、消費税及び贈与税の申告の状況等についてまとめられたものです。(個人)消費税については、令和5年10月から開始される適格請求書等保存制度(インボイス制度)によりどの程度、申告対象者が増えるのかが注目され、また、贈与税については、令和6年以降の贈与税の抜本的改正により、いわゆる暦年課税制度から相続時精算課税制度へ移行する者がどの程度増えるのかが注目されています。
このように消費税や贈与税は、本年以降、大きな変化が発生すると見込まれることから、本稿では所得税等の申告のうち、特にe-Tax(電子申告)の利用状況等について触れていきます。
まず、各年における所得税等の確定申告書のe-Taxによる送信方式別提出人員は下記の図のとおりです。
※国税庁ウェブサイト https://www.nta.go.jp/information/release/pdf/0023005-053.pdf 参照(以下同様)
この図によると、令和4年分の所得税等の確定申告人員全体は約2,295万人にのぼり、そのうち、e-Taxを利用して確定申告をした人員が約1,495万人と65.1%にのぼっています。新型コロナウィルス感染症の影響もあり、令和2年分からe-Tax利用人員が、書面提出人員を逆転していることが読み取れます。
一方で、本報道発表資料内で注目しているのは、自宅等からの納税者本人によるe-Tax送信が平成30年分の約5倍に増えていて、確定申告会場で提出した方の約2倍を超えているという点です。
また、納税者本人による送信には、大きく「マイナンバーカード方式」と「ID・パスワード方式」による送信がありますが、「マイナンバーカード方式」を利用した方が約592万人のうち約387万人と7割弱近くに達しています。そして、約387万人のうちスマホ申告(スマートフォンを利用して確定申告をした方)が約179万人と半数近くに達しています。マイナポータルで1年間分の医療費情報や公的年金等の源泉徴収票、国民年金保険料控除証明書が連携対象になり、一層スマホによる確定申告の利便性が向上したことが大きく増加している一因と考えられます。
最後に、国税庁ウェブサイトにある「確定申告書等作成コーナー」の利用状況についても触れておきます。「確定申告書等作成コーナー」においては、スマホ申告では対応できないような不動産所得や譲渡所得といった内容のものも対応可能ですが、令和4年分において初めて作成コーナーを利用したe-Tax件数が作成コーナーを利用して書面で申告書を提出した方を逆転しました。
以上のように、個人の所得税の確定申告は、e-Taxを利用した確定申告がスタンダードになってきています。本稿では申告方法に着目して紹介しましたが、納税方法も電子納付(ダイレクト納付やクレジット納付)が普及してきているため、状況に応じて有効に活用ください。