| 事務所名 | 分銅会計事務所 |
|---|---|
| 所長名 | 代表税理士 分銅雅一 (登録番号第123843号) |
| 所在地 | 〒160-0022 |
| 電話番号 | 03-6380-1093 |
| FAX番号 | 03-6380-1094 |
| 業務内容 | 自社株式と不動産の承継に関連する 1.相続税・譲渡所得税の税務申告 2.相続・事業承継対策の立案及び実行支援 3.個人及び法人の税務顧問 4.セミナー及び研修の講師 |
| 適格請求書発行事業者登録番号 |
<法人税等の調査事績の概要(令和6事務年度)について>
令和7年12月2日、国税庁のウェブサイトに、「令和6事務年度 法人税等の調査事績の概要」が公表されました。令和6事務年度というのは、具体的には令和5年7月1日から令和6年6月30日を指していて、調査事績は令和5年2月1日から令和6年1月31日までの間に事業年度が終了した法人を対象に、令和6事務年度中に実施した調査に係るものを集計したものです。
具体的には「Ⅰ 調査事績の概要」「Ⅱ 主要な取組」「Ⅲ 参考計表」から構成されています。この中から、特に特筆すべき点について、紹介していきます。
(1)法人税および(法人)消費税の実地調査の状況
「Ⅲ 参考計表」の別表1および別表3から読み取れることとして、令和6事務年度は令和5事務年度に対して、件数は減少傾向だが、追徴税額の金額自体は増加している点です。(2)の主要な取組でも記載しているように、AIの活用などにより集中的に実地調査ができていることが窺えます。


※国税庁ウェブサイト「https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2025/hojin_chosa/pdf/01.pdf」参照
(2)主要な取組
「Ⅱ 主要な取組」については、調査に際しての特に取り組んだ内容として、下記の法人に対してのものが紹介されています。
1.消費税還付申告法人
2.海外取引法人等(法人税と源泉所得税)
3.無申告法人
このうち、消費税の還付については、典型的な「国内仕入れ(課税)及び輸出売上げ(免税)の水増し計上」が紹介されています。令和2年度の消費税法の改正により、「居住用賃貸建物の取得等に係る消費税の仕入税額控除制度の適正化」が行われ、いわゆる居住用賃貸建物の還付スキームが封じられることとなりました。一方で、輸出取引等を通じた還付については、不正還付といった悪質なものが多いため、厳正な調査が実施されています。
(3)簡易な接触事績の概要
簡易な接触とは、税務署において書面や電話による連絡や来署依頼による面接により、納税者に対して自発的な申告内容の見直しなどを要請するものであり、申告内容に誤り等が想定される納税者等に対して行われるものであります。
「Ⅰ 調査事績の概要」の簡易な接触事績の概要によると、令和5事務年度より令和6事務年度は法人税・消費税については増加しています。一方で、源泉所得税については、令和5事務年度より令和6事務年度は法人税・消費税については減少しています。

(4)まとめ
法人税等の調査事績については、令和5事務年度と令和6事務年度では大きな変動はありませんでした。AIなどの活用や国税総合管理システム2(KSK2)などの普及により、今後の調査の具体的な内容については、従来から大きな変化を遂げる可能性はあります。一方で、税理士法第33条の2に、いわゆる「書面添付制度」が定められています。「書面添付制度」は、税理士が、申告書の作成等に関し、計算し、整理し若しくは相談に応じた事項又は審査した事項を記載するものであり、当該書面が申告書に添付されている場合には、税務調査の事前通知前又は更正を行う前に、税理士に対して意見を述べる機会を与えられています。法人税の書面添付の提出割合はわずか10%強程度で、まだまだ普及されているとは言い難い状況です。税務調査の対策として、ぜひ「書面添付制度」も有効に活用して下さい。