事務所概要

事務所名分銅会計事務所
所長名
代表税理士 分銅雅一
(登録番号第123843号)
所在地

〒160-0022
東京都新宿区新宿二丁目3番12号 グレイスビル7F

電話番号03-6380-1093
FAX番号03-6380-1094
業務内容

自社株式と不動産の承継に関連する

1.相続税・譲渡所得税の税務申告

2.相続・事業承継対策の立案及び実行支援

3.個人及び法人の税務顧問

4.セミナー及び研修の講師

適格請求書発行事業者登録番号

T2810600793215

ブログ 2026年1月16日

<令和8年度税制改正大綱(青色申告特別控除)について>

 令和7年12月19日、自由民主党および日本維新の会から「令和8年度税制改正大綱」が公表され、令和7年12月26日閣議決定されました。公表直前に、いわゆる178万円の壁についての合意など大きなニュースとなりましたが、今回は、税制改正大綱の中から、「青色申告特別控除」について紹介しています。

「青色申告特別控除」は所得税の10種類の所得の中で、不動産所得・事業所得・山林所得がある場合に、事前に青色申告承認申請書を提出しておくことで、一定額の控除が受けられる制度です。現状は下記のとおり控除額が認められています。

※国税庁ウェブサイト「https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2025/pdf/025.pdf」参照

簡易な記帳で認められる10万円控除からe-Taxでの申告をすることでの65万円控除まで大きく3種類が存在しています。

これが、今回の税制改正大綱において、下記のように改正される予定です。 

・55万円の青色申告特別控除について、その年分の所得税の確定申告書、貸借対照表及び損益計算書等の提出を、その提出期限までに電子情報処理組織(e-Tax)を使用して行うことを適用要件に加えた上、控除額を65万円に引き上げます。

・65万円の青色申告特別控除について、対象者を上記①の見直し後の要件を満たす者であって、その年分の事業に係る仕訳帳及び総勘定元帳につき、電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律に定めるところにより電磁的記録の保存等を行っていること(次に掲げる場合のいずれかに該当する場合に限る。)との要件を満たすものとした上、控除額を75万円に引き上げます。

Ø  仕訳帳及び総勘定元帳について、国税の納税義務の適正な履行に資するものとして一定の要件を満たす電磁的記録の保存等を行っている場合

Ø  特定電子計算機処理システムを使用するとともに、電子取引の取引情報に係る電磁的記録(特定電磁的記録に限る。)のうちその保存が当該特定電子計算機処理システムを使用して国税の納税義務の適正な履行に資するものとして一定の要件を満たすことができるものは当該要件に従って保存を行っている場合

・10万円の青色申告特別控除の対象者から、その年において不動産所得又は事業所得を生ずべき事業を営む者で、これらの所得に係る取引を簡易な簿記の方法により記録しているもののうち、次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定める者を除外します。

Ø  その者が不動産所得を生ずべき事業を営む者である場合 その年の前々年分の不動産所得に係る収入金額が1,000万円を超えるもの

Ø  その者が事業所得を生ずべき事業を営む者である場合 その年の前々年分の事業所得に係る収入金額が1,000万円を超えるもの

 ※令和8年度税制改正大綱2526頁参照

 先ほどの表を基に作成すると下記のようなイメージとなります。

 

複式簿記

B/SP/Lを添付

期限内に

申告

e-Tax

申告

優良な電子帳簿保存

75万円

65万円

10万円*

(簡易な

記録)

*前々年の不動産所得、事業所得に係る収入金額が1,000万円超の場合を除く。

 今回の改正は、e-Taxをより普及させるために従来の55万円を廃止し、65万円控除にe-Taxでの申告を強制とし、さらに、優良な電子帳簿を普及させるために新たに75万円控除を新設し適時適切な記帳義務を課するものとしています。一方で、10万円控除については、一定規模(収入金額1,000万円)を超える場合には、簡易な記録のみの10万円控除は認めず、複式簿記等を前提とした厳格な帳簿作成を要求するように改正される予定です。 

今回の青色申告特別控除の改正は、令和9年分以後の所得税について適用するとしています。来年以降ではあるが、1,000万円基準については前々年の収入金額を基に判定されるため、確定申告期において早めに納税者等に情報を共有しておくことが肝要です。